サイバー犯罪 “ランサムウエア”被害 去年230件で過去最多に

サイバー犯罪に使われる「ランサムウエア」と呼ばれる不正プログラムによる深刻な被害が去年、国内で230件確認され、過去最多となったことが警察庁の調べで分かりました。海外からとみられるサイバー攻撃も相次いでいて、警察庁は企業などにセキュリティー対策の強化を呼びかけています。

警察庁によりますと、サイバー犯罪に使われる不正プログラム「ランサムウエア」による深刻な被害は、去年1年間に国内で230件確認され、おととしより84件増え、過去最多となったということです。

このうち手口が確認できた182件について分析した結果、65%を占める119件がコンピューターウイルスでデータを暗号化し、元に戻すことと引き換えに身代金を要求するなど、「二重恐喝」ともいえる悪質なケースでした。

攻撃の対象は、全体のうち
▽半数以上の121件が中小企業で、
▽63件が大手企業、
▽46件が団体などとなっていて、
業種別には
▽製造業が75件、
▽サービス業が49件、
▽医療、福祉が20件でした。

また、身代金を要求された54件のうち50件は、ビットコインなど暗号資産での支払いを求められたほか、流出した個人情報やパスワードなどが、「ダークウェブ」と呼ばれる闇サイトに掲載されるケースもあったということです。

ランサムウエア以外にも海外からとみられるサイバー攻撃が相次ぎ、政府機関や国内企業のWEBサイトが閲覧できなくなり、ロシア系のハッカーが犯行をほのめかす声明を発表したほか、北朝鮮当局の下部組織とされる「ラザルス」が暗号資産に関連する日本企業を標的にするなどしていて、警察庁は企業などに対しセキュリティー対策の強化を呼びかけています。