Vチューバー 周央サンゴさんコラボが人気 三重 志摩スペイン村

「コンテンツツーリズム」ということば、ご存じでしょうか。一般的には、映画のロケ地やドラマやアニメの舞台となった場所などを訪ねる観光のことです。
今、三重県のテーマパークが、あるキャラクターとコラボした「コンテンツツーリズム」で人気を呼んでいます。いったいどんなコラボなのでしょうか。

志摩市にあるテーマパーク「志摩スペイン村」です。朝から多くの人、人、人。

志摩スペイン村といえば4年前、「好き空き」「アトラクションの待ち時間ほぼ0」などと、混んでいないから楽しめるという自虐PRで話題を呼んだテーマパーク。

都会からのアクセスも悪く、「すいているテーマパーク」の代表とも言える場所に多くの人が訪れているのにはあるコラボが一役買っています。

お客さん
「周央サンゴちゃん」
「周央サンゴちゃんのコラボがあったから来ました」
お目当ては、Vチューバーの「周央サンゴ」さんです。
先月11日から、コラボイベントが始まり、多くのファンが訪れています。
きっかけは、周央さんが志摩スペイン村の魅力を熱く語った動画を配信したこと。
これがテーマパークの目にとまり、去年夏、コラボ動画が公開され、SNSなどで話題を呼びました。

動画で紹介された菓子の売り上げは例年の25倍に。
イベント開始から先月末までの来園者数は、2倍以上になりました。
この反響をどう感じているのか。周央サンゴさん本人に聞いてみました。

周央サンゴさん
「こんなに大盛況になると思っていなくて、スペイン村がより1人でも多くの人に知られるきっかけになったらすごくうれしいことだなと思っています」

周央さんはおととし、この場所を初めて訪れた時に、仕事の丁寧さに感動したと言います。

周央サンゴさん
「例えば花壇を整えるとか、スタッフさんの来場者への対応だとか、そういう一つ一つすごく丁寧にしているテーマパークだなっていうのを感じて。本当に人がいなくて、でも人がいないままじゃもったいなさ過ぎるってすごく強く思ったので」

コラボ後、客層にも変化が。
今まで多かったファミリー層に加え、若い世代のグループが増加。
さらに来園者の多くはこれまで東海や関西からでしたが、九州や東北などの遠方の人も増えたと言います。
こうした状況について、観光学の専門家はどうみているのか。
自身もゾンビ姿のVチューバーとして活動する近畿大学の岡本健准教授は、Vチューバーによる「コンテンツツーリズム」の新しい形態だと評価します。

岡本健准教授
「今回のこの周央サンゴさんと志摩スペイン村さんのコラボに至った経緯というのもですね、まさにコンテンツツーリズムと言う感じがします。サンゴさんのファンであるということが第一義なんですけれども、やはりその応援したいという気持ちが非常に強いですね。通常の観光だとアクセスが厳しいとお客さんが行かないみたいなところでもですね、やっぱりそのコンテンツへの愛っていうのが中心になっていますので」。

一方で気になるのは、周央さんとのコラボイベントの期間が終わったあと。
また、元の「空いている」テーマパークに戻ってしまうのではないかという心配も。

岡本健准教授
「これはチャンスです。コンテンツツーリズムは一般的にそうなんですけど、最初はコンテンツへの関心で現地に来られるんですね。お客さんがどういったものに関心があるのか、どういうことをするとご満足いただけるのか、よりどんなことをしてもらいたいと思っているのか、そこのところをしっかりととらえるというのが非常に重要になってくる」

周央さんも、イベントをきっかけに三重県全体にも関心をもってもらえることを期待しています。

周央サンゴさん
「サンゴは志摩スペイン村とそして志摩のあたりの観光、まだまだ知らないこともね、かなり初心者、にわか、三重にわかマンなので。ひいては三重全体を応援していけたらなぁみたいな気持ちでいます」