13日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、戦略巡航ミサイル2発を潜水艦から発射する訓練が、12日明け方、日本海に面した東部のハムギョン(咸鏡)南道の湾で行われたと伝えました。
戦略巡航ミサイルについて、北朝鮮は先月にも北東部から日本海に向けて4発を発射したと明らかにしていますが、潜水艦から発射したと発表したのは、これが初めてです。
紙面には、薄暗い中で海面に浮上した潜水艦や、海の上を上昇するミサイルの写真が掲載されています。
発射されたミサイルは、日本海を2時間6分かけて8の字の軌道で1500キロ飛行し目標に命中したとしたうえで「多様な空間での核戦争抑止手段を常に稼働する態勢が立証された」として、アメリカと韓国への対決姿勢を強調しました。
これについて韓国軍の合同参謀本部も、北朝鮮が12日朝、東部のシンポ(新浦)付近の海上の潜水艦からミサイルの発射実験を行ったと発表しました。
北朝鮮は、13日から開始された定例の米韓合同軍事演習に反発し、党の中央軍事委員会の拡大会議で「戦争抑止力を攻勢的に活用するための重大な実践的措置を決定した」と12日発表したばかりで、去年5月以来となる潜水艦からのミサイル発射によって、米韓両国を強くけん制するねらいがあるとみられます。

北朝鮮 12日に戦略巡航ミサイル2発発射と発表 米韓をけん制か
北朝鮮は戦略巡航ミサイル2発を潜水艦から発射する訓練を12日、日本海に面した東部の湾で行ったと発表しました。13日から定例の合同軍事演習を開始したアメリカと韓国を強くけん制するねらいがあるとみられます。

松野官房長官「米韓と連携し情報収集などに全力挙げる」
松野官房長官は、午前の記者会見で「わが国のEEZ=排他的経済水域や領域への飛来は確認されておらず、被害報告などの情報もない。北朝鮮の発表によると、射程が1500キロにも及ぶと承知しており、事実であれば地域の平和と安全を脅かすもので、懸念を有している」と述べました。
そのうえで「北朝鮮は今後、核実験の実施を含め、さらなる挑発行為に出る可能性があり、引き続きアメリカや韓国などと緊密に連携しつつ、必要な情報の収集、分析と警戒監視に全力を挙げていく」と述べました。
そのうえで「北朝鮮は今後、核実験の実施を含め、さらなる挑発行為に出る可能性があり、引き続きアメリカや韓国などと緊密に連携しつつ、必要な情報の収集、分析と警戒監視に全力を挙げていく」と述べました。