東部激戦地 ウクライナ軍司令官 「反転攻勢まで時間稼ぐ」

ロシアが掌握をねらうウクライナ東部の激戦地バフムトをめぐりウクライナ軍の司令官は「まもなく始まる反転攻勢まで時間を稼ぐ必要がある」と部隊を鼓舞し、ロシア側の侵攻を食い止める姿勢を強調しました。

ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトをめぐってロシア側は猛攻を仕掛け、市内を南北に流れる川の東側を掌握したとみられる一方、ウクライナ軍は川の西側で防衛線を築き、激しい攻防が続いているもようです。

ウクライナ国防省は11日、軍のシルスキー司令官が前線で指揮を執り続けているとSNSで明らかにし、この中で司令官は「兵力を蓄えてまもなく始まる反転攻勢まで時間を稼ぐ必要がある」と部隊を鼓舞したとしていて、ロシア側の侵攻を食い止める姿勢を強調しました。

バフムトの戦況についてイギリス国防省は11日、ウクライナ軍が川に架かる橋を破壊するとともに川の西側で拠点とする建物から砲撃し、ロシア側で戦闘を続ける民間軍事会社ワグネルの部隊は困難な状況に陥っていると分析しました。

一方、ウクライナ南部のヘルソンでは11日、ロシア軍の攻撃で市民3人が死亡したと当局がSNSで明らかにしました。

ウクライナ南部についてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は10日、ロシアが9年前に一方的に併合したクリミア半島でロシア軍が防衛線を築いていると指摘し「南部の占領地域を長期にわたり維持することに不安を抱いていることを示唆している」と分析しています。