中国の新しい首相に選出された李強氏は、浙江省出身の63歳。
去年の共産党大会を経て、最高指導部の政治局常務委員に選ばれ、党の序列2位となりました。
1983年に共産党に入党してから長年にわたって出身地の浙江省でキャリアを重ねてきました。
習近平国家主席が、2002年から2007年まで浙江省トップの書記だった際には省の幹部らの取りまとめを行う秘書長を務めるなど習主席と関係が深いとされています。
その後、江蘇省の書記を経て、2017年には習主席も務めた上海市の書記になるとともに共産党指導部の政治局委員に選出されました。
上海市の書記の際にはアメリカの電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOと会談しテスラにとって海外で初めてとなる工場を誘致するなど、外国企業の投資を呼び込みました。
ただ、上海では去年3月末から「ゼロコロナ」政策に基づいて2か月余りにわたる厳しい外出制限が行われ、現地の人々の間で不満が高まりました。
中国では、首相になる前に副首相として経験を積んでから選出されることが慣例とされてきましたが、李強氏は副首相を務めないまま、首相に就任する異例の人事となり政治手腕に関心が集まっています。
中国 全人代 新首相に李強氏を選出 政治手腕に関心集まる
中国の全人代=全国人民代表大会は11日、李克強首相の後任の新しい首相に共産党序列2位の李強氏を選出しました。
中国の全人代は、日本時間の11日午前10時から全体会議を開き、任期満了に伴い退任する李克強首相の後任の新しい首相を決める投票を行いました。
この中で、共産党序列2位の李強氏が10日、3期目入りした習近平国家主席から首相に指名され、賛成2936票、反対3票、棄権8票の賛成多数で選出されました。
李新首相は、13日の全人代閉会後に就任後初めての記者会見を行う予定です。
異例の人事 政治手腕に関心集まる
検察トップに習主席に近い人物
中国の全人代=全国人民代表大会は、11日、検察トップである最高人民検察院の検察長に、上海市長や湖北省のトップなどを務めた応勇氏を選出しました。
応勇氏は、習近平国家主席が、浙江省のトップだった時に、監察部門や裁判所の幹部を務めていた部下で、去年9月に最高人民検察院の副検察長に就任していました。
習近平指導部は司法や警察などの重要ポストに、習主席に近い人物を相次いで起用していて、権力基盤を強化する動きを見せています。
応勇氏は、習近平国家主席が、浙江省のトップだった時に、監察部門や裁判所の幹部を務めていた部下で、去年9月に最高人民検察院の副検察長に就任していました。
習近平指導部は司法や警察などの重要ポストに、習主席に近い人物を相次いで起用していて、権力基盤を強化する動きを見せています。