【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる11日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

英 “ロシア選手国際大会復帰 賛同しないで” 企業に呼びかけ

IOC=国際オリンピック委員会が、ロシアとベラルーシの選手の国際大会への復帰を検討していることをめぐり、イギリス政府は、IOCとスポンサー契約を結ぶ企業に対し、復帰に賛同しないよう呼びかける文書を送りました。

これはイギリスの文化・メディア・スポーツ省が11日、明らかにしました。

IOCはことし1月、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアと、同盟関係にあるベラルーシの選手について、国を代表しない中立の立場とするなどの条件付きで国際大会への復帰を検討すると発表しました。

これに対しイギリス政府は、IOCと最高クラスのスポンサー契約を結ぶ「ワールドワイドパートナー」と呼ばれる企業に対し、軍事侵攻が続く中での復帰に賛同しないよう呼びかける文書を9日付けで送ったということです。

来年7月にフランスで開幕するパリオリンピックに向けては複数の日本企業を含む15社が「ワールドワイドパートナー」の契約を結んでいますが、このうちイギリスに拠点がある13社に送られたという文書では「IOCに対し、われわれの懸念に向き合うようともに働きかけてほしい」と求めています。

イギリスやアメリカ、日本など30余りの国の政府は2月、共同声明を発表し、IOCが検討している「中立の立場での復帰」について、国からの資金で支援されている選手たちが中立に競技できるか懸念があるとして、現状では復帰させるべきではないと主張していました。

ウクライナ国防次官「バフムトの状況は悪化」

ウクライナ軍の参謀本部は10日、ロシア側が東部ドネツク州の要衝リマンやアウディーイウカなどに攻撃を集中するとともに、東部のウクライナ側の拠点のひとつバフムトを包囲しようと攻撃を強めていると発表しました。

ウクライナのマリャル国防次官は10日、SNSに「バフムトの状況は悪化していて、ロシアがウクライナ軍の防衛を突破しようとしている。兵士は攻撃を防ぐために可能な限り力を尽くしている」と投稿し、徹底抗戦を続けているものの戦況が厳しさを増しているという認識を示しました。

一方、ロシア側は、これまでにバフムトの東側を支配下に置いたと主張し、バフムトを掌握すればさらに攻め入ることができるとして、攻撃を緩めない構えです。

戦況を分析しているアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は9日「ロシア側はバフムトの北西側への攻撃の度合いを増している可能性が高い」と指摘しました。

また、バフムトの東側については「ロシア側は市内を流れる川を渡って中心部に向かう準備ができていない可能性がある。ロシア軍の増援部隊が到着しているとの情報もあり、戦術的に小休止している可能性もある」という見方を示しています。

G7外相ら ウクライナにエネルギー分野で支援継続を確認

ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、日本時間の10日夜、G7=主要7か国の外相らによるオンライン形式の会合が開かれ、ウクライナに対し、エネルギー分野で必要な支援を継続していくことを確認しました。

会合は、林外務大臣とアメリカのブリンケン国務長官の呼びかけでおよそ1時間開かれ、G7各国のほか、ウクライナのクレバ外相やヨーロッパの関係国の外相らが参加しました。

そして、ロシアによる攻撃でウクライナの電力施設などに被害が出ていることから、インフラの維持や復旧をめぐって意見が交わされ、今後もエネルギー分野で必要な支援を継続していくことを確認しました。

また、林大臣は日本からウクライナに対して、大型の変圧施設などの機材を供与していることを説明し、エネルギー分野の支援に引き続き貢献していく方針を示しました。

その上で、G7議長国として国際社会と連携しながらウクライナへの支援を主導していく決意を強調しました。