“精神医療の体制から見直しを” 相次ぐ虐待受け緊急集会

精神科病院で患者への虐待が繰り返し起きていることを受け、医療関係者や支援者などが都内で緊急の集会を開き、背景には構造的な課題があり、精神医療の体制から見直す必要があるとする声明をまとめ、厚生労働省に提出しました。

集会は、東京 八王子市の精神科病院「滝山病院」での看護師による暴行事件を受けて、緊急に開かれたもので、精神保健福祉士や看護師、患者の家族や国会議員など、オンラインも含めおよそ360人が参加しました。

この中では、精神科病院での患者への虐待が繰り返し起きていることについて、日本精神保健福祉士協会の木太直人常務理事が「問題が多い病院でも、『必要悪』として行政やほかの病院、地域から求められて成り立ってしまっている。滝山病院だけの問題ではない」と指摘しました。

また、精神障害のある人の家族でつくる「みんなねっと」の小幡恭弘事務局長は「事件などがないと、患者や家族の発信に関心を持ってもらえないが、ほかの病院でも虐待は起きており、改善していく必要がある」と訴えました。

そのうえで、背景には構造的な課題があるとして、行政や医療機関、国民などが精神医療の体制を根底から見直していく必要があるとする声明をまとめ、厚生労働省に提出しました。

今後も検証や議論を重ね、国などに広く働きかけていくとしています。