セブン&アイ 「イトーヨーカ堂」店舗4分の1削減 2026年までに

流通大手の「セブン&アイ・ホールディングス」は、傘下の大手スーパー「イトーヨーカ堂」について、全体の4分の1にあたる店舗の大幅な削減を行うなど、新たな経営計画を正式に発表しました。

セブン&アイ・ホールディングスは9日、取締役会を開き、グループの新たな経営計画を決めました。

この中で、傘下の大手スーパー、イトーヨーカ堂について、2月末現在で全国に126ある店舗について、地方都市の採算性が低い店を中心に、3年後の2026年2月末までに全体の4分の1にあたる33店舗を削減し、93店舗とするとしています。

そのうえで、首都圏については、グループ傘下の小型店のスーパーを運営する「ヨーク」などと事業の統合再編を進めるとしています。

さらに、自社で運営するアパレル事業からは完全に撤退し、食品事業に集中するとしています。

イトーヨーカ堂は、専門店やネット通販との競合で衣料品部門を中心に業績の不振が続いていて、こうした合理化策を通じスーパー事業の構造改革を進める一方、主力のコンビニエンスストア事業に経営資源を一段と集中させるとしています。

一方、セブン&アイをめぐっては、海外の株主からグループ全体の再編を求められていることから、イトーヨーカ堂の合理化策に加えて、コンビニ事業の「セブン‐イレブン」を含めた一段の事業再編も大きな焦点となります。

井阪社長 “コンビニ事業の維持 向上に不可欠”

説明会で、セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は、コンビニエンスストア事業をグループの中心に位置づける方針を改めて示したうえで、「中心に進めるべきは『食』であり、スーパー事業を中心とした食品関連の強みは、コンビニ事業の競争力と成長力の維持、向上に不可欠だ」と述べました。

“「そごう・西武」の売却 今月中完了目指す”

また井阪社長は、傘下のデパート「そごう・西武」の売却に対して先月、組合員と元社員が差し止めを求める仮処分を東京地方裁判所に申し立てたことについて「詳細は差し控えるが、利害関係者と協議を進めながら売却の合意に結び付けられるよう努力していきたい」と述べ、予定どおり今月中の売却の完了を目指す考えを示しました。

そのうえで「雇用についても、新しいオーナーや当社グループ会社における受け皿の準備を含め、雇用の継続を図っていく」と述べました。

”まずはスーパー事業の立て直しが一丁目一番地”

そして、井阪社長は、グループの再編をめぐって一部の株主からコンビニエンスストア事業やスーパー事業の分離を求める声があがっていることについて、「一緒にいることの相乗効果や分離する場合の影響を評価したが、総合的な判断でまずはスーパー事業の立て直しが一丁目一番地という結論になった。次の成長や株主還元につなげていきたい」と述べました。