衆院憲法審査会 緊急事態の認定の在り方などについて各党主張
9日開かれた衆議院憲法審査会では、大規模災害や戦争など緊急事態での対応を憲法に規定するかどうかを中心に議論が行われ、緊急事態の認定の在り方や、国会を召集できない場合の政府の権限強化などについて、各党が主張を展開しました。
自民 新藤政調会長代行

自民党の新藤政務調査会長代行は、緊急事態の対応を憲法に規定すべきだとしたうえで「緊急事態の認定と国会議員の任期延長の判断は、内閣と国会が責任を持って行い、裁判所に委ねるべきではない。国会機能が維持できない場合に備え、内閣が緊急に立法措置や財政支出をできる制度の整備も必要だ」と述べました。
立民 奥野氏

立憲民主党の奥野総一郎氏は「非常時でも、ウクライナのように国会は動かすべきで、憲法に緊急事態条項を設けなくても、現在の制度でかなりのことができる。参議院の緊急集会や裁判所の関与の在り方などの議論も必要で、拙速に進めるべきではない」と述べ、慎重な姿勢を示しました。
維新 岩谷氏

日本維新の会の岩谷良平氏は「議員任期の延長は、詰めの議論を行って、考え方を集約していくべきだ。緊急事態で立法府や行政府によって特例的な権限が乱用されないよう、憲法裁判所による事後統制が必要だ」と述べました。
公明 濱地氏

公明党の濱地雅一氏は「参議院の緊急集会は、通常国会や臨時国会のような機能を有していない。緊急事態には、二院制の原則のもと、フルサイズの国会機能を行使する必要があり、今こそ、議員任期の延長に一定の結論を出さなければならない」と述べました。
国民 玉木代表

国民民主党の玉木代表は「議員任期の延長は、議員のお手盛りを防止するため、一定の司法の関与を盛り込むべきだ。緊急事態条項の具体的な条文案づくりに入るべきで、今月中にも、日本維新の会などと案をまとめ、審査会に示したい」と述べました。
共産 赤嶺氏

共産党の赤嶺政賢氏は「東日本大震災や新型コロナの拡大でも、緊急事態条項がなかったから対応できなかったという問題は起きていない。極端な事例を出して議論すれば間違う危険性が高く、改憲議論自体が問題だ」と述べました。