【詳しく】コロナ「5類」変更後 身近な感染対策はどう変わる?

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけがことし5月に「5類」に変更されたあとでも求められる身近な感染対策について、厚生労働省の専門家会合のメンバーらが新たな見解をまとめ、「5つの基本」として示しました。

身近な感染対策については最初の緊急事態宣言が出されていた2020年5月に当時の政府の専門家会議が「新しい生活様式」を示していましたが、今回はこれを抜本的に改めています。

何が変わり、何が引き続き求められるのか、整理してまとめました。

新たに示された「5つの基本」

厚生労働省の専門家会合のメンバーらが新たにまとめた「5つの基本」は、「体調不安や症状があるときは自宅で療養するか医療機関を受診すること」、「その場に応じたマスクの着用やせきエチケットの実施」、「3密を避けることと換気」、「手洗い」、「適度な運動と食事」です。

では、私たちの具体的な対策は、「これまで」と「これから」でどのように変わるのか、場面ごとにみてみます。

人との間隔

人との間隔について2020年の「新しい生活様式」ではできるだけ2メートル、最低でも1メートル空けることや真正面で対面しての会話はできる限り避けること、そして密集・密接・密閉の「3密」の回避が求められていました。

また、買い物は1人または少人数ですいた時間を選ぶ、娯楽やレジャーについては予約制を利用してゆったりと、公園はすいた時間・場所を選ぶ、公共交通機関の利用についても混んでいる時間は避ける、徒歩や自転車利用も併用するなどといったことが推奨されていました。

今回の見解では、人との間隔について具体的な距離の記載がなくなったほか、買い物や娯楽、レジャーといった場面ごとには示されていません。

ただ、密閉・密集・密接の「3密」の回避は換気とともに引き続き有効な対策で、特に不特定多数の人がいる場面は人との間隔を空け、すいている時間帯や場所を選ぶことで感染症のリスクを下げられるとしています。

マスク着用

マスクの着用について2020年の「新しい生活様式」では外出時や屋内で会話するとき、人との間隔がとれない場合は症状がなくてもマスクを着用することが呼びかけられていました。

今回の見解では「その場に応じたマスクの着用」としていて、マスクをつけるかどうかは、地域の感染状況や周囲の混雑の状況、空間の広さ、その場にいる時間、それに目の前にいる人の重症化リスクなどを考慮して判断し、外出時はマスクを持ち歩き、着用が呼びかけられる場面では着けるとしています。

移動

移動に関して2020年の「新しい生活様式」ではコロナの流行地域からの移動、流行地域への移動はともに控えること、発症したときのため、誰とどこで会ったかメモにするなどとしていましたが、今回は移動について場面を示して呼びかけられていることはありません。

食事やイベントなど

ほかにも2020年の「新しい生活様式」では食事は対面ではなく横並びで、大皿料理は避ける、イベントなどに参加するときには接触確認アプリを活用するなど日常生活の細かい場面ごとに対策のための行動が呼びかけられていましたが、今回の見解ではこうした具体的な場面について示されていることはありません。

変わらない呼びかけも

一方で、今後も変わらず重要だとしている対策もあります。

手洗いについては、食事の前やトイレのあと、帰宅時などは20秒から30秒かけて流れる水と石けんで、もし、石けんがない場合も同じくらいの時間をかけて丁寧に洗うとしているほか、適切な手指消毒薬の使用も可能だとしています。

また、体調に不安があるときや発熱などの症状があるときは無理をせず自宅で療養し体調がよくなければ医療機関を受診することを呼びかけています。

さらに、職場や学校などは体調不良のときに休暇を取得しやすい環境を整えるべきで、高齢者や持病のある人など重症化リスクの高い人と会うときには体調管理をより厳重にすることも呼びかけています。