JR久留里線 一部区間バス路線転換視野にJR東日本が協議打診へ
地方鉄道の存続が課題となる中、JR東日本は、千葉県を走る久留里線の一部区間について、バス路線への転換を視野に、自治体に協議を打診する方針を固めたことが分かりました。JR東日本が不採算を理由にバス転換に向けて動き出すのは今回が初めてで、今後の協議の行方が注目されます。
JR久留里線は、千葉県の房総半島を走る32.2キロの路線で、1912年に開業以来、生活の足を担ってきましたが、人口減少や交通網の多様化で利用が落ち込み赤字が続いてきました。
JR東日本は、新型コロナの影響で経営環境が厳しくなる中、久留里線の3分の1にあたる久留里駅と上総亀山駅の9.6キロの区間について、バス路線への転換を視野に千葉県や沿線の君津市に協議を打診する方針を固めたことが分かりました。
この区間では、一日当たりの利用者数の平均は1987年度には823人でしたが、昨年度は55人とこの30年余りで9割減少し、昨年度の営業費用は2億8100万円だった一方、収入は100万円と赤字が続いていました。
分割民営化以降、JR東日本が不採算を理由にバス転換に向けて動き出すのは今回が初めてで、バス路線の拡充などを提案していきたいとしています。
地方鉄道の存続は全国各地で課題となっていて、国も公共交通の再構築に向けた議論を促す中、今後の協議の行方が注目されます
君津市「大事なのは地域住民が自由に移動できる足の確保」
久留里線の久留里駅と上総亀山駅の間の区間がある君津市の担当者は「現時点でJR東日本から何も打診はなく、コメントは難しい。沿線の活性化や利用促進に取り組んできた君津市としては、久留里線全線が地域の重要な路線だという認識は変わらない。最も大事なのは地域の住民が自由に移動できるような足が確保されることで、今後JRから打診があれば、内容を精査した上で対応を検討していきたい」と話していました。
利用客ら“鉄道を残して” “転換やむを得ない”
利用客の減少で赤字が続く久留里線の一部区間について、JR東日本がバス路線への転換を視野に、自治体に協議を打診する方針を固めたことを受けて、利用者や沿線の住民からは鉄道を残してもらいたいという声とともに、バスへの転換はやむを得ないという意見も上がっていました。
今回、JR東日本がバス転換に向けて動き出したのは、久留里駅から平山駅、上総松丘駅を経て終点の上総亀山駅に至る9.6キロの区間です。
朝と夕方、夜を中心に▽下り列車が一日8本、▽上り列車が一日9本運行されています。
上総亀山駅は君津市の山間の集落にある無人駅で、8日は午後2時すぎに2両編成の下り列車が到着すると、10人足らずの人が下車しました。
地元の利用客は2人ほどで、あとは鉄道ファンや旅行者とみられ、カメラで駅舎や列車、駅の周囲を撮影したあと、15分後に出発する折り返しの上り列車に乗って行きました。
列車に乗ってきたさいたま市の大学2年生の男性は「初めて乗りました。高校生も乗っていましたが、途中からは自分のような鉄道ファンがほとんどで、地元の人が日常的に使っているかというと違うのかなという印象です。鉄道は維持費がすごくかかるので、ファンとしては残してもらいたいけど、そこは仕方ないのかなと思います」と話していました。
また、大阪府吹田市から来た66歳の男性も「私のふるさとの岡山県でも同じような状況のところがあります。寂しいけど、民間の経営者ならやむをえないのかもしれないですね。ただ他にもっと乗客が少ない路線もあるので、それと比べると結構多かったんじゃないかと思いました」と話していました。
一方、駅前を通りかかった地元の70代の女性は「長年、久留里線を頼りにしていた人はいるし、私も学生時代は乗っていましたから、なくなるとすればさびしいですけど、人が減っているので仕方ないと思います。バスの方が便利なので、私自身久留里線はもう3、40年乗っていません」と話していました。
今回、JR東日本がバス転換に向けて動き出したのは、久留里駅から平山駅、上総松丘駅を経て終点の上総亀山駅に至る9.6キロの区間です。
朝と夕方、夜を中心に▽下り列車が一日8本、▽上り列車が一日9本運行されています。
上総亀山駅は君津市の山間の集落にある無人駅で、8日は午後2時すぎに2両編成の下り列車が到着すると、10人足らずの人が下車しました。
地元の利用客は2人ほどで、あとは鉄道ファンや旅行者とみられ、カメラで駅舎や列車、駅の周囲を撮影したあと、15分後に出発する折り返しの上り列車に乗って行きました。
列車に乗ってきたさいたま市の大学2年生の男性は「初めて乗りました。高校生も乗っていましたが、途中からは自分のような鉄道ファンがほとんどで、地元の人が日常的に使っているかというと違うのかなという印象です。鉄道は維持費がすごくかかるので、ファンとしては残してもらいたいけど、そこは仕方ないのかなと思います」と話していました。
また、大阪府吹田市から来た66歳の男性も「私のふるさとの岡山県でも同じような状況のところがあります。寂しいけど、民間の経営者ならやむをえないのかもしれないですね。ただ他にもっと乗客が少ない路線もあるので、それと比べると結構多かったんじゃないかと思いました」と話していました。
一方、駅前を通りかかった地元の70代の女性は「長年、久留里線を頼りにしていた人はいるし、私も学生時代は乗っていましたから、なくなるとすればさびしいですけど、人が減っているので仕方ないと思います。バスの方が便利なので、私自身久留里線はもう3、40年乗っていません」と話していました。
地元の利用者は
上総亀山駅で下車した市内の70代の男性は、一つ手前の上総松丘駅から乗車したといい「列車がなくなると不便になりますね。今までどおり維持してほしいという思いがあります。私の祖父たちが誘致活動に力を入れたと聞いてきました。幼稚園のころから利用していて、生活の一部でした。駅前の掃除を毎朝行っている人がいるほか、大規模な掃除の際には集まってお茶会をするのが楽しみでした。君津市にはJRとの間でしっかりと対応策を検討してほしいし、何らかの手を打たないと地域がどんどん過疎になってしまうのではないか」と話していました。
一方、上総松丘駅の近くに住む80代の男性は「利用者の減少にともなって、始発の時間が遅くなって使いにくくなっていました。私自身は何十年も乗車していませんが、免許を返納した人が列車を使って久留里駅に買い物に行くなど利用しているので、なくなってしまうなら残念です。バスの運行になる場合は、大きな道路のみに停留所を作るのではなく、住民の利用しやすさも考えてほしい」と話していました。
また、久留里駅の近くに住む60代の女性は「ぜひ存続してほしいです。代わりのバスが出ればいいとは思いますが、電車の方が時間が正確で乗りやすいと思います」と話していました。
一方、上総松丘駅の近くに住む80代の男性は「利用者の減少にともなって、始発の時間が遅くなって使いにくくなっていました。私自身は何十年も乗車していませんが、免許を返納した人が列車を使って久留里駅に買い物に行くなど利用しているので、なくなってしまうなら残念です。バスの運行になる場合は、大きな道路のみに停留所を作るのではなく、住民の利用しやすさも考えてほしい」と話していました。
また、久留里駅の近くに住む60代の女性は「ぜひ存続してほしいです。代わりのバスが出ればいいとは思いますが、電車の方が時間が正確で乗りやすいと思います」と話していました。