ウクライナ激戦地バフムトの狙撃手「ロシア側の兵士の質低い」

ロシア側はウクライナ東部バフムトの掌握に力を入れ、激しい攻撃を加え続けています。
このバフムトでの戦闘に参加したウクライナ側の兵士がNHKのインタビューに応じ「敵は数倍の人数で攻撃しているが兵士の質は低く、損失はロシア側のほうが大幅に上回っていた」と前線の実情を語りました。

取材に応じたのは、ドミトロ・シャトロフスキーさん(33)です。

去年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、各地の戦闘に参加しているシャトロフスキーさんは、ことし1月中旬から1週間ほどの間、バフムトの戦線に加わったということです。

シャトロフスキーさんは狙撃手としてロシア側の指揮官がいる拠点を攻撃する任務を与えられ、一日中、身を潜めて人間の体温を感知する装置などを使って、敵の動きを探っていたということです。

シャトロフスキーさんは「24時間のうち休憩できるのは長くて15分ほどでした。砲撃もありずっと攻撃が繰り返されていました」と話していました。

シャトロフスキーさんがバフムトで撮影した映像には、ざんごうの中にいる仲間の兵士が大きな爆発音で身をかがめる様子などが映っていました。
シャトロフスキーさんは「ロシア側の兵士の質はわれわれより低く、訓練された兵士を補充することもできていない。肉弾戦のような形で突撃を繰り返していた」と述べ、シャトロフスキーさんがバフムトの戦闘に加わっていた期間のロシア側の戦死者の数はウクライナ側を大幅に上回っていたと振り返っていました。

その上で「ウクライナ軍は、バフムトからは離れない。われわれの損失が少なくロシアへのダメージが大きいかぎりとどまり続ける」と述べ、ロシア側の大軍をバフムトに引き付けておくことにウクライナ軍は戦略的な価値を見いだしていると話していました。