アメリカ国防長官がイラク訪問 イラク戦争20年 米軍駐留続ける

アメリカなどが武力行使に踏み切った「イラク戦争」から今月で20年になるのを前に、アメリカのオースティン国防長官が予告なしにイラクを訪問し、アメリカ軍を引き続きイラクに駐留させる考えを示しました。

今月5日から中東を歴訪しているアメリカのオースティン国防長官は7日、予告なしにイラクの首都バグダッドを訪問し、スダニ首相と会談しました。

会談のあと行われた記者会見で、オースティン国防長官は「アメリカはこれまでもイラクや地域の安全に関与してきた。イラクからの要望があれば、アメリカ軍は引き続き駐留する用意がある」と述べ、過激派組織IS=イスラミックステートに対応するイラク軍の訓練などを行うため、アメリカ軍を引き続きイラクに駐留させる考えを示しました。

アメリカ軍は、2003年のイラク戦争のあと一度は完全撤退したものの、過激派組織ISの台頭などで再び駐留しましたが、おととし、すべての戦闘任務を終えたと発表しました。

現在は、およそ2500人の部隊がイラク軍の訓練や支援などにあたっています。

イラク戦争から今月20日で20年になるのを前に、アメリカのバイデン政権としてはオースティン国防長官を現地に派遣することで、イラクの安定に向け、引き続き関与していく姿勢を強調するねらいもあるとみられます。