東京大空襲“未公開”の証言 330人分のうち113人分 都が公開へ

およそ10万人が死亡した東京大空襲で、都がほとんどを未公開としている体験者の証言映像のうち113人分について、公開の同意が得られたとして、都は公開に向けた準備を進めることにしています。

78年前、昭和20年3月10日未明の東京大空襲では、アメリカの爆撃で下町を中心に壊滅的な被害が出ておよそ10万人が死亡しました。

都は平成11年に空襲を語り継ぐ施設を整備する方針でしたが、展示内容をめぐる都議会での対立で計画は凍結され、施設で上映される予定だった体験者330人分の証言映像はほとんどが倉庫で保管されたままになっています。

こうした中、都は去年7月、戦争の記憶を風化させないよう証言映像をデジタル化して保存・公開することを決め、その後、本人や遺族などに確認したところ、113人分の証言映像について同意が得られたということです。

都は来月以降、公開に向けた準備を進めることにしています。

都の担当者は「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で平和への意識が高まる今、平和の大切さを訴えていくことは重要である。証言のデジタル化を進め、将来にわたって継承できるようにしたい」としています。