ガーシー議員「除名」検討へ 参院懲罰委が14日に処分審査

懲罰処分の陳謝に応じなかったNHK党のガーシー参議院議員について、参議院の懲罰委員会は、来週14日に改めて処分の審査を行うことになりました。
議員の資格を失わせる除名処分とする方向で検討が進められる見通しです。

海外に滞在し、国会に一度も登院していないNHK党のガーシー参議院議員が懲罰処分の陳謝を行う予定だった8日の本会議を欠席したため、尾辻参議院議長は、改めて処分の審査を行うよう懲罰委員会に付託しました。

これを受けて、懲罰委員会は、夕方の理事懇談会で対応を協議し、来週14日に委員会を開いて改めて処分の審査を行うことを決めました。

このあと、鈴木委員長が、ガーシー議員の秘書を呼び、弁明する意思があるかどうかを10日の正午までに回答するよう求めました。

鈴木委員長は、記者団に対し「院の権威を守るためにも対応していかなければならない」と述べました。

審査では、最も重い、議員の資格を失わせる除名処分とする方向で検討が進められる見通しです。

議員資格を失わせる「除名」は、国会法に規定されている4つの懲罰のうち、最も重い処分に当たります。憲法58条は「院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる」と規定し「除名」とするには、本会議で出席議員の3分の2以上の賛成が必要です。

国会議員の「除名」これまでに衆参両院で1例ずつ

参議院では、昭和25年に予算案を審議する本会議で反対の討論をしたにもかかわらず採決で賛成した議員が、衆議院では昭和26年に代表質問で、現状を曲解し当時の占領政策を批判する発言を行ったとして「議場での陳謝」を科され、それを拒否した議員がそれぞれ「除名」になりました。

N党 浜田政調会長「ガーシー議員の行動を支持」

NHK党の浜田政策調査会長は、記者団に対し「トルコで起きた地震をどうしても見たいという意思で実行したガーシー議員の行動を支持する。今後の懲罰委員会や本会議などで決定した事項は、ある程度、粛々と受け止める必要はあると思う」と述べました。

また「ガーシー議員が陳謝文を読み上げた動画を国会が受け入れてくれなかった。世界各国の議会や日本の地方議会でオンライン開催が進んでいる中で、国会の恥ずべき点ではないか」と述べました。

◇各党の反応は◇

自民 世耕参院幹事長「懲罰委員会開き次なる懲罰のステップに」

自民党の世耕参議院幹事長は、記者団に対し「ガーシー議員が出席しなかったのは極めて残念で、言語道断と言わざるをえない。できるだけ早く懲罰委員会を開き、次なる懲罰のステップに入りたい。手続きは丁寧に踏むが、『陳謝』より重い懲罰になるのは当然で、『登院停止』が意味がないことを踏まえれば、『除名』が視野に入った調整になってくる」と述べました。

立民 田名部参院幹事長「議員の役割果たす姿勢見えず」

立憲民主党の田名部参議院幹事長は、記者団に対し「ガーシー議員は、本人の判断で陳謝という与えられたチャンスに来なかった。国会議員としての役割を果たす姿勢が見えなかったことを踏まえて議論していく」と述べました。

維新 藤田幹事長 “除名に異を唱えるつもりない”

日本維新の会の藤田幹事長は、記者会見で「こういう形になり残念だ。懲罰委員会で『除名』になる可能性が高いと聞いており、異を唱えるつもりもないので、粛々と手続きを進めてほしい」と述べました。

共産 穀田国対委員長「国会議員としての資格ない」

共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「全国民の代表としての活動の第一歩である登院さえせず、国会議員としての資格がない。議長が懲罰委員会に付託したので、その次の段階に行くのは当然だ」と述べました。

国民 古川国対委員長「次の段階に行くのは当然」

国民民主党の古川国会対策委員長は、記者会見で「国会のルールに応じなかったので、次の段階に行くのは当然だ。除名も含め、懲罰委員会が適切な処分を判断するだろう」と述べました。