国連事務総長 女性の権利侵害に危機感 ウクライナやアフガンで

女性の権利について話し合う国際会議が国連で始まり、グテーレス事務総長は、ウクライナやアフガニスタンなどで女性の権利が侵害されていると危機感を示し、女性の教育や雇用の拡充に向け緊急に行動する必要があると訴えました。

国連の「女性の地位委員会」は、女性の地位や権利の向上について勧告や提言を行っていて、ことしの会合が6日、ニューヨークの国連本部で始まりました。

はじめにグテーレス事務総長が「何十年もかけて勝ち取ってきた進歩が、われわれの目の前で消えつつある」と述べ、ロシアが軍事侵攻したウクライナや、イスラム主義勢力タリバンが実権を握ったアフガニスタンなどで、女性の権利が侵害されていると危機感を示しました。

そのうえで、女性の教育や雇用の拡充に向け、緊急に行動する必要があると訴え「私たちの世界のために女性差別を押し返し前進していこう」と呼びかけました。

「女性の地位委員会」は今月17日まで開かれ、各国代表による演説や討論のほか、NGOなどが主催して700以上の関連行事が行われる予定です。

この日は、アフガニスタンの状況をめぐる討論も行われ、アフガニスタンの女性活動家が「タリバンは教育へのアクセスなど、女性の基本的権利を厳しく制限している。タリバンは学校教育は再開されると主張しているが、ほとんどすべての地域で学校は閉鎖されている」と述べ、国際社会に対しタリバンの暫定政権を認めないよう訴えました。