米CDCモデルに「国立健康危機管理研究機構」創設法案 閣議決定

今後の感染症に備え、アメリカのCDC=疾病対策センターをモデルにして、研究から患者の受け入れ、人材育成までを総合的に実施する「国立健康危機管理研究機構」を創設するための法案が、7日の閣議で決定されました。

この法案は、新型コロナの対応を教訓に、新たな感染症が発生した際に速やかに分析して対応策を打ち出すため、基礎研究などを行う「国立感染症研究所」と臨床医療を行う「国立国際医療研究センター」を統合し、新しい専門家組織を創設するものです。

組織の名称は「国立健康危機管理研究機構」とし、トップとなる理事長は、厚生労働大臣が任命するとしています。

2つの組織を統合することで、新たな感染症が発生した初期段階で、率先して患者を受け入れて診療を行いながら、同時に、詳しい分析も行うことができるようになります。

また、全国の情報を集約して感染症の全体像を把握し、患者の待機期間やワクチン接種の考え方など、科学的知見を政府に提供するとともに、国内外の人材育成にも取り組むとしています。

創設時期は、2025年度以降となっています。

政府は、今の国会で法案の成立を目指すことにしています。

加藤厚労相 “科学的知見に基づいた政策決定に期待”

加藤厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「機構の創設によって、感染初期における調査分析などの初動対応、重症患者などの診療機能、それに研究開発力の強化などの効果が見込まれる。密接な連携を図ることにより、科学的な知見と根拠に基づいて政府の政策決定が行われることが期待される」と述べました。