【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(7日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ベラルーシ大統領 “ウクライナ情報機関と協力する人物拘束”

ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領は7日、ベラルーシの飛行場でA50早期警戒管制機を破壊しようとしたとして、ウクライナの情報機関と協力する人物などを拘束したと明らかにしました。

ベラルーシでは先月、反体制派の団体が、首都ミンスク近郊のマチュリシチ空軍基地で爆発があり、ロシア軍のA50早期警戒管制機が損傷したと明らかにするとともにロシア軍の駐留に反対するベラルーシ人が関与したという見方を示していました。

ベラルーシの国営通信によりますと、ルカシェンコ大統領は7日ミンスクの独立宮殿で開かれた式典でこれに触れました。

それによりますとベラルーシ当局はウクライナとロシアの国籍を持つ人物とその協力者など20人以上を拘束し、ルカシェンコ大統領はアメリカのCIA=中央情報局やウクライナの情報機関が背後で支援していたという認識を示したということです。

また、無人機による破壊を試みたが、機体には大きな損傷はなかったと述べたということです。
そのうえでルカシェンコ大統領は「ウクライナがアメリカの命令でベラルーシを戦争に引きずりこもうと考えているのであれば間違いだ」として、参戦するつもりはないと強調したとしています。

バフムト副市長“町ほとんど破壊され孤立”も抗戦姿勢

ロシア軍が攻撃を強め激しい戦闘が続くウクライナ東部バフムトのマルチェンコ副市長は、4日放送されたイギリスの公共放送BBCのラジオ番組の中で「町はほとんどが破壊され被害を受けていない建物はない。通信手段がないため町は孤立していて、橋も破壊されている」と述べ厳しい現状を訴えました。

町にはいまもおよそ4000人の市民がとどまっていて、ガスや電気、水が使えないなかでシェルターなどで避難生活を送っているということです。

マルチェンコ副市長は「私たちはこの町と市民を守らなければならない」と述べ引き続き抗戦する姿勢を強調しています。

ロシア 東部ドネツク州 バフムトで攻撃激化

ロシアは東部ドネツク州の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点の1つ、バフムトを包囲しようと攻撃を強めています。

ウクライナ軍の参謀本部は7日「ロシア側は大きな損失にもかかわらず、バフムトや周辺を攻撃し続けている」としてバフムト北西の集落に向けて攻撃を激化させていると発表しました。

戦況を分析しているイギリス国防省は7日、バフムトについて「ロシア側は街の北部に向けて前進していたが、週末にかけてウクライナ軍が防衛線を安定させた可能性が高い」と指摘しました。

米シンクタンク“ロシア側 精鋭部隊など兵力大きく失う”

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、6日の分析で「バフムトでの戦闘はロシアの民間軍事会社ワグネルの精鋭部隊を著しく弱体化させ、代替の難しい突撃部隊の一部を失っている可能性がある」としてバフムトの掌握に力を入れるロシア側が兵力を大きく失っているという見方を示しています。

中国外相が初会見 ロシアとの関係重視

中国の秦剛外相は、北京で開かれている全人代=全国人民代表大会に合わせて7日、就任以来初めてとなる記者会見を行いました。


この中で秦外相は、対立を深めるアメリカについて「中国に勝つために競争し、対立は求めないと言うが、実際には全方位的な封じ込めだ」と述べ、バイデン政権の姿勢を強くけん制しました。

一方で、「中国は両国関係の健全かつ安定した発展に向けて力を入れる。両国と世界に利益をもたらす正しい道をともに模索したい」と述べ、関係改善も呼びかけました。
また、ロシアについて、「両国関係はいかなる国にも脅威を与えず、第三国の干渉や挑発も受け入れない。パートナーシップ関係は今後も高いレベルで発展すると信じている」と述べ、ロシアとの関係を重視する姿勢を示すとともに、欧米などを強くけん制しました。

そのうえでウクライナ情勢をめぐって、欧米がロシアへの軍事支援を懸念していることについて「中国は危機をつくる側でも当事者でもなく、どちらの側にも武器を提供していない」と強調しました。

国連事務総長 女性の権利侵害に危機感 ウクライナやアフガンで

女性の権利について話し合う国際会議が国連で始まり、グテーレス事務総長は、ウクライナやアフガニスタンなどで女性の権利が侵害されていると危機感を示し、女性の教育や雇用の拡充に向け緊急に行動する必要があると訴えました。


国連の「女性の地位委員会」は、女性の地位や権利の向上について勧告や提言を行っていて、ことしの会合が6日、ニューヨークの国連本部で始まりました。

はじめにグテーレス事務総長が「何十年もかけて勝ち取ってきた進歩が、われわれの目の前で消えつつある」と述べ、ロシアが軍事侵攻したウクライナや、イスラム主義勢力タリバンが実権を握ったアフガニスタンなどで、女性の権利が侵害されていると危機感を示しました。

そのうえで、女性の教育や雇用の拡充に向け、緊急に行動する必要があると訴え「私たちの世界のために女性差別を押し返し前進していこう」と呼びかけました。

“ロシア軍は60年前の戦車を配備” イギリス国防省

ロシア側の戦力について、イギリス国防省は6日「ロシア軍は60年前のT62型戦車を配備することで損失に対応し続けている」とする分析を明らかにしました。

そして「去年の夏以降およそ800両が倉庫から引き出された。こうした年代物の車両は、現代の戦場においては多くのぜい弱性を抱えることになる」として、ロシア側にさらなる損失が出る可能性を指摘しています。

ゼレンスキー大統領 “バフムトから撤退しない”

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日に公開した動画で、ウクライナ軍のザルジニー総司令官など軍の幹部らと東部の戦況などについて意見を交わし、激戦が続くドネツク州のバフムトから撤退しないという見解を確認したと明らかにしました。

そのうえで「バフムトはこの戦争においてドンバスの戦い全体で、最も大きな成果の1つをもたらし、今ももたらし続けている」と述べ、バフムトの防衛は東部ドンバス地域での戦況に大きな影響を与えていると強調しました。

そして「私たちはウクライナのあらゆる地域を守っていて、これからも守り続ける」として徹底抗戦を続ける考えを改めて示しました。

ウクライナ 東部拠点バフムトで徹底抗戦の構え

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、ウクライナ側の拠点の1つ、東部のバフムトを包囲しようと攻撃を強めています。

これに対し、ウクライナ側は防衛作戦を継続し抗戦していく構えを改めて示し、依然として激戦が続いています。

バフムトについて、ウクライナ軍の前線の部隊に所属する報道官は6日、地元メディアに対し「厳しい状況で、ロシアは絶えず攻撃している。しかし防衛を続け、部隊は勇敢に街を守っている」として、防衛を維持していると強調しました。

ロシア軍とワグネルの間で確執も

ロシア側でバフムトに部隊を投入する民間軍事会社ワグネルのトップは6日SNSで、必要な弾薬が届いておらず軍に協力を拒否されたと批判し、ロシア軍とワグネルの間で確執が深まっていることもうかがえます。

米シンクタンク “バフムト 徐々に撤退の可能性ある”

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は5日の分析で、バフムトの状況について、ウクライナ側が部隊の一部の撤退も視野に入れた動きを見せているとしながらも「一気に撤退することは考えにくい。ロシア軍を疲弊させるため市街戦を続けながら徐々に撤退する可能性はある」と指摘しました。さらに、ロシア側がたとえバフムトを掌握したとしても、ドネツク州内のほかの拠点への攻撃に展開する人員や装備は残っていないという見方も示しています。

ゼレンスキー政権 バフムト徹底抗戦続ける方針示す

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、東部での戦況などについて軍や政権の幹部らと会議を開き意見を交わしました。

ウクライナ大統領府の発表によりますと、この中では、ウクライナ軍のザルジニー総司令官らが、激戦が続く東部ドネツク州のバフムトの防衛作戦を継続し、態勢をさらに強化することを支持したということです。

また会議では、戦闘が行われている地域への兵器や装備の供給についても協議したということです。

激戦地のバフムトをめぐっては、ウクライナ側が部隊の一部の撤退を視野に入れた動きを見せているとの指摘も出る中で、ゼレンスキー政権は徹底抗戦を続ける方針を改めて示した形です。