【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米の研究所「ウクライナ軍 一気に撤退は考えにくい」

激戦地のバフムトで、ウクライナ側は徹底抗戦していますが、部隊の一部の撤退も視野に入れた動きを見せているという見方も出ています。

これについてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、5日の分析で「ウクライナ軍が一気に撤退することは考えにくい」という見方を示しました。

そのうえで、「ロシア軍を疲弊させるため市街戦を続けながら徐々に撤退する可能性はある」として、ロシア側の兵力を消耗させるために抗戦を続けると分析しています。

また、ロシア側はたとえバフムトを掌握したとしても、クラマトルシクやスロビャンシクなどドネツク州内の他の拠点への攻撃に展開する人員や装備は残っていないだろうという見方も示しています。

一方、イギリス国防省は6日、「ロシア軍は、60年前のT62型戦車を配備することで損失に対応し続けている」と分析しました。

そして、「去年の夏以降、およそ800両が倉庫から引き出された。こうした年代物の車両は、現代の戦場においては多くのぜい弱性を抱えることになる」として、ロシア側にさらなる損失が出る可能性を指摘しています。

ロシア国防相 マリウポリを訪問 支配アピールか

ウクライナのゼレンスキー大統領が5日、バフムトを含む東部ドンバス地域について徹底抗戦する構えを強調した中、ロシア国防省は6日、ショイグ国防相が、同じドネツク州の要衝でロシアが占領を続けるマリウポリを訪問したと発表しました。

国防省は「ショイグ国防相がドンバス地域のインフラ復旧の状況を視察した」と主張しています。

マリウポリはバフムトの南、およそ180キロにある港湾都市で、訪問を通じて東部の占領地域でのロシアの支配をアピールするねらいがあるものとみられます。

ロシア弾薬不足か 民間軍事会社トップが暗に国防省批判

ウクライナ東部ドネツク州のウクライナ側の拠点のひとつバフムトでは、長期にわたって激戦が続き、ロシア側が包囲しようと攻撃を強めています。

その一方でロシア側の弾薬不足も指摘され、戦闘を続ける民間軍事会社ワグネルのトップは5日、SNSで前線に必要な弾薬が届いていないと明らかにし、暗に国防省の対応を批判しました。

ゼレンスキー大統領 ドンバス地域の状況「最も厳しい戦いの1つ」

ウクライナのゼレンスキー大統領は5日に公開した動画で、ロシア軍との激しい戦闘が続くバフムトを含む東部ドンバス地域の状況について「最も厳しい戦いの1つとなっている」と述べ、厳しい戦況であることを明らかにしました。

そのうえで前線で戦う兵士や市民をたたえ、「この戦いを耐え抜き、侵略者たちを裁きにかけ、われわれは勝利を手にする」と述べ、厳しい現状に耐えて今後の反転攻勢へとつなげたいという姿勢を示しました。

ロシア バフムトで攻撃強める 東部 南部で住宅に砲撃 市民犠牲

ウクライナ軍の参謀本部は5日、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点の1つバフムトについて「ロシア側が街に向かって進み続けている。バフムトや周辺地域への攻撃をやめていない」と発表しました。

ロシア側はバフムトを包囲しようと攻撃を強めていますが、ウクライナ側は撤退せずに抗戦を続け、激しい戦闘が続いているものとみられます。

一方、ロシア国防省は5日、ドネツク州でウクライナ軍の部隊や装甲車などを破壊したほか、東部ハルキウ州や南部ザポリージャ州などへも砲撃を行ったと発表しました。

一連の砲撃によって市民の犠牲が増え続けていて、2日、ザポリージャ州では5階建ての集合住宅が破壊されてこれまでに13人が死亡したほか、5日、南部ヘルソン州では住宅が砲撃を受けて3人が死亡し、ウクライナ大統領府のイエルマク長官は、SNSで「ロシアのテロリストが市民を殺害し続けている」と非難しました。

イギリス国防省 ロシア軍の物資不足と戦況を分析

戦況を分析しているイギリス国防省は5日、「ロシア軍の予備役の兵士が銃器とシャベルだけでウクライナ軍の拠点を攻撃するよう命じられた」とする報告を発表し、ロシア軍は攻撃を強める一方で物資も不足している状況を示すものだと分析しています。