【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア ウクライナ側拠点のバフムトへの攻撃強める 戦闘激化か

ロシアは、ウクライナ東部ドネツク州の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点の1つバフムトを包囲しようと攻撃を強めているとみられます。

ウクライナ軍の参謀本部は5日バフムトについて「ロシア側は包囲する試みを放棄していない」としたうえで、抗戦するウクライナ軍はバフムト周辺での複数の攻撃を撃退したと発表していて、戦闘が一層、激化しているとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は4日公開した動画で、司令官たちと連絡をとったとしたうえで「前線が最優先だ。特にバフムトを守る兵士たちに触れておきたい」と述べ、バフムトで戦う兵士たちを鼓舞し改めて抗戦を続けていく構えを示しています。

バフムトの戦況について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日の分析でロシア側はバフムトの一部で優位な位置を確保したとしつつも「ロシア側の前進は遅い。すぐにバフムトを包囲できるわけではなくましてや正面からの攻撃で掌握できるものでもない」と指摘しています。

ブチャで追悼式 ロシア軍侵攻で市民殺害から1年

ウクライナの首都キーウ近郊のブチャで4日、ロシア軍の侵攻で男性8人が殺害されてから1年になるのにあわせ、遺族や住民が参加し追悼式が行われました。

追悼式はロシア軍の撤退後、多くの市民の遺体が見つかり「死の通り」とも呼ばれるようになったブチャのヤブロンスカ通りにある建物の前で行われました。

地元当局によりますと、監視カメラの映像や目撃者の証言から、1年前の3月4日、ロシア軍が占拠していたこの建物の脇でロシア軍に連行された男性8人が銃で撃たれて殺害されたことが確認されているということです。

遺体が発見された場所の壁には犠牲者の生前の写真やウクライナの国旗が掲げられ、遺族たちが花を手向けたりろうそくに火をともしたりして命を奪われた人々を悼んでいました。

追悼式では、出席者全員で犠牲者に祈りをささげたあと、遺族が一人一人いまの胸のうちや亡くなった家族との思い出を、涙で声を詰まらせながら話していました。
37歳の兄が殺害されたナタリア・マトビチュクさん(25)は、NHKの取材に対し「耐え難い痛みをいまも心に抱えています。この痛みは人生が終わるまで続くでしょう。私たちは皆変わってしまいました。戦争が始まる前の私たちにはもう戻ることはできません」と話していました。

追悼式を主催したブチャの副市長は「きょうは私たちにとってとても重要な日です。犠牲になった彼らの名前を覚えておきたいし、罪を犯した人を罰することを望んでいます」と話していました。

ブチャでは、ロシア軍の撤退後、400人以上の市民の遺体が確認されていて、ウクライナの検察や国際刑事裁判所がロシア軍による戦争犯罪の疑いがあるとして捜査を進めています。

バフムト包囲強めるロシア ウクライナ抗戦も一部撤退視野か

ロシア側は、東部ドネツク州の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点バフムトへの攻撃を強め、3日には、ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏が「バフムトを実質的に包囲した」として、ウクライナ側に撤退を迫っていました。

一方、ウクライナ軍の参謀本部は4日、バフムトの戦況について「ロシア側が包囲する試みを続けている」と発表し、抗戦を続けていると説明しています。

戦況を分析しているイギリス国防省は4日、バフムトの状況について「ウクライナ側の防衛はいっそう深刻な圧力にさらされ、市内や周辺で激しい戦闘が続いている」とする分析を公表しました。

そのうえで「ウクライナ側は精鋭部隊を投入して防衛を強化しているが、バフムトへの補給路は次第に狭まりつつある」と指摘しています。
またアメリカのシンクタンク「戦争研究所」も3日の分析で「ウクライナ軍がバフムトの北東部と西部で、橋を破壊している映像がある」と指摘し、ウクライナ軍がみずから橋を破壊してロシア側の進軍を止め、部隊の一部の撤退も視野に入れた動きを見せているという見方を示しています。