コロナ感染不安 休場の申し出が認められず引退 元力士が提訴

大相撲の元力士が、新型コロナの緊急事態宣言が出されていたおととし1月、感染への不安から休場を希望したにもかかわらず認められず、引退を余儀なくされたとして、日本相撲協会と親方に対し、慰謝料などの支払いを求める訴えを千葉地方裁判所松戸支部に起こしました。

訴えを起こしたのは千葉県松戸市にある佐渡ヶ嶽部屋で当時、序二段力士だった元琴貫鐵の柳原大将さん(25)です。

訴えによりますと、新型コロナの緊急事態宣言中だったおととしの初場所について、心臓に疾患があったため感染への不安から、佐渡ヶ嶽親方を通じて、日本相撲協会に休場を申し出たということです。

しかし、休場は認められず親方からは「コロナが怖くて休場するのは認められない」という協会の方針を説明されたとしていて、引退を余儀なくされたということです。

そのうえで、対応は不当だとして日本相撲協会と佐渡ヶ嶽親方に対し、慰謝料などとして合わせて410万円余りを支払うよう求めています。

柳原さんは2日、松戸市内で会見を開き「親方からは『出るか辞めるかしかない』と選択を迫られ、命には代えられなかった。親方と協会はもっと柔軟に対応してほしかった」と述べました。

日本相撲協会コメント「訴状が届いていない」

訴えを起こされたことについて日本相撲協会は「訴状が届いていません」とコメントしています。