中国 習主席 ベラルーシ大統領と会談 和平促す姿勢アピールか

中国の習近平国家主席は、ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領と北京で会談し、ウクライナ情勢をめぐって和平交渉を促す中国の立場を強調する一方で、欧米などによるロシアへの制裁に反対する姿勢を示しました。

習近平国家主席は1日、みずからの招きで中国を訪れたベラルーシのルカシェンコ大統領と北京で会談しました。

中国外務省などによりますと、この中で習主席はウクライナ情勢をめぐって「中国の立場の核心は和平交渉を促すことだ。各国の安全保障上の合理的な懸念を尊重し、バランスがとれ、持続可能なヨーロッパの安全保障の枠組みを築くべきだ」と強調しました。

一方で「関係国は経済を政治的に利用することをやめ、停戦のために真に役立つことをすべきだ」と述べ、欧米などによるロシアへの制裁に反対する姿勢を示しました。
これに対し、ルカシェンコ大統領は「中国による平和への提案や国際安全保障に関する取り組みを完全に支持する」と述べ、中国側の主張に支持を表明したということです。

会談のあと両首脳は、両国の包括的、戦略的なパートナーシップの発展に向けた共同声明に署名し、貿易や農業など幅広い分野の協力文書の署名にも立ち会ったということで、両国の関係強化を確認しました。

ウクライナ情勢をめぐって、中国がロシアへの軍事支援を検討しているとアメリカなどが指摘していますが、中国としては、和平を促す姿勢を内外にアピールするねらいがあるとみられます。

プーチン大統領 “習主席にモスクワの新しい地下鉄見せたい”

ロシアのプーチン大統領は1日、首都モスクワで新たに完成した地下鉄の開通式にオンラインで出席しました。

新しい地下鉄は、モスクワの周囲を大きく走る環状線で、プーチン大統領は「全長は70キロで、世界最大の環状線だ。北京の環状線も追い越した」と述べ、みずからの側近の1人であるモスクワのソビャーニン市長をたたえたうえで、完成した地下鉄をアピールしました。

そのうえで「われわれは中国の国家主席と会談する予定だが、予定が許されれば、ぜひ見せたいと思う」と述べ、中国の習近平国家主席がモスクワを訪問する際には案内したいという考えを示しました。

プーチン大統領は、対立するアメリカをにらんで中国との関係強化をねらっていて、中国で今月に予定されている全人代=全国人民代表大会が終わったあとに、ロシアで首脳会談を開催することに意欲を示しています。