
水道管凍結防止の水 “出しすぎ”が原因か 石川の大規模断水
ことし1月、石川県輪島市で起きた大規模な断水は、水道管の凍結などを防ぐため、市の呼びかけを受けて各家庭が水を流し続けたところ、それが出しすぎとなって、貯水施設の水量が、想定以上に減ったために起きたとみられることが、市の調査で分かりました。
市では、凍結防止のために出す水は鉛筆の芯程度の太さが望ましいと今後、周知したいとしています。
輪島市では、ことし1月の記録的な寒波の影響で水道管の破裂や漏水が相次ぎ、多いときでおよそ3500戸が断水し、完全に復旧するまで1週間かかりました。
輪島市では5年前の寒波でも、大規模な断水が発生していて、市は水道管の凍結や破裂を防ぐための対策として、水道の蛇口を緩めて、少しずつ水を出しておく「出し水」を呼びかけました。
この結果、今回の寒波で水道管の破裂による「漏水」の件数は、5年前と比べて100戸以上少ない、およそ600戸にとどまりましたが、断水は1000戸以上増加しました。
この原因について市が調査したところ、断水が始まる前日の時点で、貯水施設から各家庭に水を送る配水量が、前の年の同じ時期と比べ、最も多い地区で2倍近くに増えていました。
輪島市は、各家庭で水を出しすぎて配水量が急激な増加したことで、貯水施設の水量が想定以上に減り、断水につながったとみています。
輪島市は「凍結防止のための『出し水』は、鉛筆の芯程度の太さで行うのが望ましく、今後は写真を活用したり出前講座を行ったりして、適切な『出し水』の実施を呼びかけたい」としています。