G20外相会合に副大臣が出席へ 国会審議で林外相の出席見送り

インドで開かれるG20=主要20か国の外相会合には、山田外務副大臣が出席することになりました。林外務大臣は、国会審議のため出席が見送られます。

G20の外相会合は、1日から2日間の日程でインドで開かれ、アメリカのブリンケン国務長官やロシアのラブロフ外相、それに中国の秦剛外相が出席する予定です。

これについて外務省は、山田外務副大臣が出席すると発表しました。

林外務大臣は2日まで、参議院予算委員会で岸田総理大臣とすべての閣僚が出席して基本的質疑が行われるため、外相会合への出席を見送ることになりました。

政府・与党内からは「予算審議は重要なのでやむをえない」という意見がある一方、「G7=主要7か国の議長国を務める中、日本外交にとって痛手だ」といった指摘が出ています。

一方、林大臣は、G20に合わせた日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組み=クアッドの外相会合には出席することを検討しています。

松野官房長官「日程や内容などを総合的に勘案」

松野官房長官は、午前の記者会見で「林外務大臣が出席する可能性を追求したが、国会を含む国内での公務の日程や内容などを総合的に勘案し、最終的に、山田外務副大臣が出席することが適切だと判断した」と述べました。

そのうえで「ロシアによるウクライナ侵略が継続する中、食料・エネルギー安全保障など、重要課題について、G7=主要7か国の議長国であるわが国の立場と取り組みを積極的に発信したい」と述べました。

立民 安住国対委員長「日程の事前調整できないレベル嘆く」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、党の会合で「本来、外務大臣はG20の外相会合に行くべきだ。参議院予算委員会の基本的質疑がスタートするのは分かりきっている話で、外務省は、この日程を外して議長国に日程を組んでもらうのが普通だが、それもできずに日本の外交ができるのか」と批判しました。

そのうえで「立法府として『行くな』とは言っておらず、日程の事前調整ができないレベルを嘆いている。議会が足止めしているかのように責任を転嫁するのはおかしい」と述べました。