阿武町の田口翔被告(25)は、町から振り込まれた国の臨時特別給付金4630万円を、誤って入金されたと知りながら、決済代行業者の口座に振り替えるなどしたとして、電子計算機使用詐欺の罪に問われました。
これまでの裁判で、被告の弁護士は、事実関係に争いはないとした一方で「電子計算機使用詐欺の罪は成立しない」として、無罪を主張していました。
28日の判決で、山口地方裁判所の小松本卓裁判官は「本件の送金行為などは、正当な権利行使とは言えず、電子計算機使用詐欺罪が成立する」と指摘しました。
そのうえで「被害額は非常に多額であり、オンラインカジノで遊ぶための犯行で、くむべき点は一切ない。町の職員の働きかけにも応じず、法規範を軽視する態度も見られ、実刑に処すべき事案だが、被害は補填されていて、違法性は相当程度減少する」として、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。
判決のあと、田口被告の弁護士は控訴したことを明らかにしました。

誤振込給付金でカジノ 25歳被告に猶予付き有罪判決 山口地裁
山口県阿武町から誤って振り込まれた給付金を別の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺の罪に問われた25歳の被告に対し、山口地方裁判所は「オンラインカジノで遊ぶための犯行で、くむべき点は一切ないが、被害は補填(ほてん)されている」などとして、執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
