アニー賞 堤大介監督の『ONI ~ 神々山のおなり』が作品賞受賞

「アニメ界のアカデミー賞」と呼ばれるアニー賞の発表がアメリカのロサンゼルスで行われ、堤大介監督の『ONI ~ 神々山のおなり』が作品賞を受賞しました。

ことしで50回目を迎えたアニー賞の発表と授賞式は25日、日本時間の26日午後、ロサンゼルスで行われ、日本の作品の監督たちも姿を見せました。

この中で、堤大介監督の『ONI ~ 神々山のおなり』がテレビ・メディア部門の作品賞とプロダクション・デザイン賞に選ばれました。

この作品は、神々や妖怪たちが暮らす山でひときわ元気な少女「おなり」が古来、恐れられてきた「ONI」と呼ばれる存在に立ち向かう物語で、CGを駆使して人形劇のようなほのぼのとした映像で描かれています。

堤監督は、記者団に対し「質の高い作品がノミネートされている中で選ばれたので、本当にうれしいです。今はストリーミングやインターネットがあり、日本の題材でも世界の人たちが見てくれます。チャンスはあるので、自分が作りたいものを真摯(しんし)に作ることが大事だと思っています」と喜びを語りました。

一方、最も権威があるとされる長編作品賞には、木の操り人形が主人公の名作の童話を新しい手法で描いた「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」が選ばれました。

『ONI ~ 神々山のおなり』の内容は…

『ONI ~ 神々山のおなり』は、やおよろずの神々や妖怪たちが暮らす山で、ひときわ元気な少女「おなり」が古来から恐れられてきた「ONI」と呼ばれる存在に立ち向かう物語です。

動画配信サイトに公開されている4話のアニメシリーズで、「ONI」の脅威が迫る中、神々の力がなかなか現れず悩む「おなり」と、過去を隠してひたすら「おなり」に愛情を注ぐ父、それに個性豊かな友達との絆がやがて「ONI」の恐怖を乗り越える力になっていく様子を、CGを駆使して人形劇のようなほのぼのとした映像で描いています。

監督は、2015年にアカデミー賞の短編アニメーション部門にノミネートされた「ダム・キーパー」で共同監督を務めた堤大介監督で、脚本は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」などのアニメ作品で知られる岡田麿里さんが務めています。

制作は、堤監督が立ち上げた日本とアメリカに拠点があるアニメスタジオ「トンコハウス」が担当しています。