福岡の老舗旅館 大浴場の湯を年2回しか換えず 塩素注入も怠る
福岡県筑紫野市の二日市温泉にある老舗旅館が、本来は週に1回以上入れ替えなければならない大浴場の湯を、年に2回しか換えていなかったなどとして、県から改善指導を受けたことが分かりました。旅館は虚偽の報告も行っていたということで、県は罰則の適用も検討しています。
県から指導を受けたのは、筑紫野市の二日市温泉にある1865年創業の老舗旅館「大丸別荘」です。
県によりますと、この旅館の大浴場は、湯の一部を循環ろ過させて、連日使用していて、県の条例で週に1回以上は、すべての湯を入れ替えなければなりません。
ところが、この旅館は湯の交換を年2回の休館日にしか実施せず、消毒用の塩素の注入も怠っていたということです。
保健所が去年8月に行った検査で、基準値の2倍のレジオネラ菌が検出されました。
この際、旅館は湯の交換や塩素の注入は適正だったなどと説明していましたが、その後の再検査で基準値の最大3700倍のレジオネラ菌が検出され、旅館は説明が虚偽だったことを認めたということです。
県は、去年12月に旅館に対して文書で改善を指導するとともに、虚偽の説明をしたことについて、公衆浴場法に基づく罰則の適用も検討しています。
山田真社長「少なくとも2019年から違反 認識甘かった」
旅館「大丸別荘」の運営会社の山田真社長はNHKの取材に対し「条例の規定は分かっていたが、常に源泉からお湯を入れながら循環させる仕組みなので大丈夫だと思っていた。はっきり何年から違反していたかは分からないが、少なくとも2019年からは違反していたと思う。条例順守の認識が甘かったことについては、おわびしたい。今は条例に適合した形で運営している」と話しています。