TikTok ヨーロッパ委員会も職員の業務用端末での利用を禁止へ

中国企業が運営する動画共有アプリ、TikTokについて、EU=ヨーロッパ連合の執行機関、ヨーロッパ委員会は、職員が業務用の端末で利用することを禁止すると発表しました。欧米で情報漏えいへの警戒が広がっています。

ヨーロッパ委員会は23日、委員会の端末や職員が業務で使う携帯端末でTikTokを利用することを禁止すると発表しました。

「ヨーロッパ委員会をサイバーセキュリティー上の脅威などから守るため」と説明していますが、具体的な脅威の内容については明らかにしていません。

この決定は来月15日から適用され、アプリを使っている職員はそれまでに削除するよう求められるということです。

TikTokをめぐっては、アメリカでも去年12月、連邦政府が所有する端末で利用することを禁止する法律が成立しています。

また、複数のメディアによりますと、全米の半数以上の州で州政府が所有する端末での利用が禁止されているということです。

さらに来月、アメリカ議会下院がこのアプリの運営会社のCEOを公聴会に呼び、プライバシーの保護など利用者の情報の取り扱いについて初めて証言を求める見通しです。

TikTokを介して中国政府に情報が漏えいしないか、欧米で警戒が広がっています。

カナダの規制当局“個人情報の使用など 調査を開始”

カナダの規制当局、個人情報保護委員会などは23日、声明を発表し、TikTokについて調査を開始したと明らかにしました。

具体的には、このアプリがカナダのプライバシー法にのっとり、利用者の個人情報の収集や使用、それに開示について、きちんと同意を得ているかなどを調べるとしています。

カナダ当局は、特に利用者が多い若い世代のプライバシー保護に焦点をあてるとしています。

松野官房長官「コメントは差し控えたい」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「海外の政府機関などの対応にコメントすることは差し控えたい」と述べました。

そのうえで「わが国では、政府端末で要機密情報を取り扱う場合は、基準によりTikTokをはじめ、SNSなどの外部サービスの利用はできないほか、要機密情報を取り扱わない場合でも、さまざまなリスクを十分踏まえたうえで、利用の可否を判断するよう定めており、各省庁で適切に対応している」と述べました。