G7財務相・中央銀行総裁会議 声明発表 ウクライナへの支援増額

G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が、インド南部のベンガルールで24日から2日間の日程で開かれます。
これに先行して現地では、日本時間の23日夜、日本が議長国を務めるG7=主要7か国の会議が開かれ、ウクライナへの支援額を増額することなどを盛り込んだ共同声明が発表されました。

G7の会議には日本から鈴木財務大臣と日銀の黒田総裁が出席し、ウクライナのマルチェンコ財務相もオンラインで参加しました。

会議で採択された共同声明では、ウクライナへの支援とロシアに対する非難をG7が結束して行うことを再確認したとしています。

その上で、ことしのウクライナへの経済的な支援をこれまでの320億ドルから390億ドルに増額し、インフラの復旧や経済の安定、それに自国の防衛などの取り組みにあててもらうとしています。

また、ロシアに対してG7が協調して経済制裁を続けた結果、ロシアが戦争を行う能力を著しく低下させたと評価し、引き続き制裁の効果を見極めた上で、必要があればさらなる行動をとるとしています。

このほか、世界経済について、インフレ圧力の高まりや途上国からの資金流出などのリスクに警戒しなければならないとしています。
記者会見で鈴木財務大臣は「ロシアによる不法かつ不当でいわれのない侵略戦争から、あすで1年だ。この1年、民間人の殺害などウクライナでの多くの犠牲に対して哀悼の意を示すとともに、強い決意と勇気で祖国を守る姿に改めて敬意を表する。G7はウクライナ支援について揺るぎないコミットメントとロシアへの非難で一致することを改めて確認した」と述べました。

また、日本が総額で55億ドル、日本円にして7400億円の追加支援を行うことを説明した上で、「ウクライナのマルチェンコ財務相からも財政に厳しさがあるという話があった。議長国としてこうした財政ギャップを埋めることに役割を示さなければならないという思いがあった」と述べました。
一方、会議に出席した日銀の黒田総裁は、世界経済の現状について「会議では、世界経済は、最近の経済指標をふまえると、想定と比べて底堅いという見方が示されたが、依然としてインフレのレベルは高く、物価安定に近づけるため、金融の引き締めを維持する必要があるという議論が出た」と説明しました。

政府 世界銀行のウクライナ向け融資を保証する仕組み新設

政府は世界銀行がウクライナ向けの融資を実行しやすくするため、融資を保証する仕組みを新たに作ります。

世界銀行のグループでは、ウクライナへの資金支援が決められた上限に迫っているため、新たに基金を設けて持続的に資金支援を行おうとしています。

政府は、この新たな基金に特別に発行した国債を拠出して融資を保証する仕組みを新たに作ることにしています。

いまの国会に関連する法律の改正案を提出し、G7の議長国としてウクライナへの国際的な支援への貢献をアピールしたいねらいです。