岸田首相のウクライナ訪問 調整続く 最大の課題は安全確保

ロシアの軍事侵攻が始まって以降、G7=主要7か国の首脳が相次いでウクライナを訪れる中、政府内では5月の広島サミットまでには岸田総理大臣の訪問を実現すべきだという声が出ていて、調整が続く見通しです。

ロシアの侵攻開始から1年となるのを前に、ウクライナには20日にアメリカのバイデン大統領が、21日にはイタリアのメローニ首相が相次いで訪れてゼレンスキー大統領と会談し、連帯の意思を表明しました。

軍事侵攻以降、ウクライナにはG7のうち岸田総理大臣以外の首脳はすでに訪れています。

政府内では、日本もゼレンスキー大統領からの招待を受けているのに加え、G7の議長国としての立場からも5月の広島サミットまでには訪問を実現すべきだという声が出ています。

一方、最大の課題は「安全の確保」で、ほかのG7各国は軍隊や特殊機関なども動いて訪問を実現したとされる一方、日本には自衛隊が対応できる明示的な規定がないことや、事前に国会に対して総理大臣の海外出張を報告する慣例があることなどから情報保全が難しいという指摘があります。

ただ、「国会への報告」をめぐっては、22日に与野党双方から、ウクライナを訪問する際は安全確保のための情報保全を最優先し、例外的に事後報告を認めるという意見もあり、政府としてはこうした点も踏まえて訪問が実現できないか調整が続く見通しです。