雇用調整助成金 コロナ特例終了し新年度から通常運用で調整

企業が従業員を休ませた時に支払われる雇用調整助成金について、厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大前と比較して売り上げが減少した企業を対象とする特例措置を終了し、前の年との比較で判断する通常の運用に戻す方向で調整に入りました。

雇用調整助成金は、景気の悪化などで企業が従業員を休ませた時に休業手当の一部を助成する制度です。

通常は、直近3か月間の売り上げなどが前の年の同じ時期と比べて10%以上減った企業が対象となりますが、新型コロナウイルスで多くの企業が長期にわたって影響を受けたことから、特例措置が設けられています。

今は、コロナの影響でその月の売り上げなどが、感染拡大前の令和元年から去年までのいずれかの年の同じ月と比べて10%減少しているか、過去1年のいずれかの月と比べて10%減少していれば、助成を受けられます。

この特例措置について、厚生労働省は今年度で終了し、新年度から通常の運用に戻す方向で調整に入りました。

感染拡大後の支給決定額が6兆円を超え、財源不足が深刻化していることや、最近の経済や雇用の状況などを踏まえたもので、今月開催予定の審議会で労使の意見を聞いたうえで、正式に決定することにしています。

一方、感染拡大前は支給の対象とされていなかった「風俗業」と「接待を伴う飲食業」を対象とする措置については、当面、継続する方針です。