ガーシー議員の処分 3番目に重い「議場での陳謝」で決定 参院

国会への欠席を続けるNHK党のガーシー議員に対し、参議院は、4つある懲罰処分のうち、3番目に重い「議場での陳謝」とすることを決定しました。
ガーシー議員が応じない場合は、最も重い「除名」とすることも含め、再び処分の検討が行われる見通しです。

NHK党のガーシー参議院議員はUAE=アラブ首長国連邦に滞在しているとして、去年の初当選以降、これまで一度も国会に登院していません。
参議院の懲罰委員会は21日、ガーシー議員を4つある懲罰処分のうち、3番目に重い「議場での陳謝」とすることを全会一致で決め、22日の参議院本会議で採決が行われました。

まず、懲罰委員長の日本維新の会の鈴木議員が審査の経過を報告したあと、NHK党の浜田政策調査会長が「ガーシー議員は、去年、海外から議員活動をすると公言して当選した」などと弁明を行いました。

続いて採決が行われ、NHK党を除く与野党の賛成多数でガーシー議員の懲罰処分が正式に決まりました。

れいわ新選組は採決を欠席しました。

国会への欠席を理由に懲罰処分となるのはガーシー議員が初めてです。

NHK党は、ガーシー議員が帰国して議場での陳謝に応じる可能性はないとしています。

応じない場合は、再び懲罰委員会で、最も重い「除名」とすることも含めて、検討が行われる見通しです。

陳謝する機会 来週にも開かれる次の本会議

22日の参議院本会議のあと、議院運営委員会の理事会が開かれ、ガーシー議員が陳謝する機会は、来週にも開かれる次の本会議とすることで与野党が合意しました。

このあと、尾辻議長が本会議への出席を命じる通知を出すとともに、石井議院運営委員長がNHK党に対しガーシー議員に応じる意思があるか確認を求める文書を手渡し、来週27日の午前11時までに回答するよう伝えました。

当選後 給与に当たる歳費など約1780万円支給

ガーシー議員は、去年7月の参議院選挙で初当選して以降、これまで一度も国会に登院していませんが、参議院によりますと、当選したあと、議員の給与に当たる歳費や、ボーナスに当たる期末手当など、合わせておよそ1780万円が支給されたということです。

N党 立花党首「電話して帰ってこないか確認」

NHK党の立花党首は記者団に「おそらく帰ってこないだろうと思うが、ガーシー議員に電話して、帰ってこないかを確認してみたい。本人が帰国すればいっぱつで終わる話だ」と述べました。

N党 浜田政調会長「それなりに妥当 本人帰国するつもりなし」

NHK党の浜田政策調査会長は「1回で除名にならず、ひとまず陳謝に落ち着いたことは、それなりに妥当だ。ガーシー議員自身は帰国するつもりはないので、当然、議場で陳謝もできない。国会から何か指示があれば、対応していく」と述べました。

自民 世耕参院幹事長「陳謝を 対応なければ次のステップ」

自民党の世耕参議院幹事長は、都内で記者団に対し「ガーシー議員には、懲罰の議決に誠実に対応し、しっかり陳謝を行っていただきたい。そうした対応がない場合は、次のステップも各党各派で協議をしながら決めていきたい」と述べました。

立民 泉代表「『登院しません』という公約は成り立たず」

立憲民主党の泉代表は記者団に「国会議員が『登院しません』と言って当選したから登院しなくていいとなって、全員が『登院しません』と言えば、誰も国会に来なくなる。『登院しません』という公約は成り立たない」と述べました。

維新 藤田幹事長「『除名』までいっても党として支持」

日本維新の会の藤田幹事長は、記者会見で「国会に出てくることを促すための『議場での陳謝』だが、出てこないと表明しているようなので、もう一度、懲罰委員会で議論が行われると予想している。議論は見守るが、『除名』までいったとしても党として支持したい」と述べました。

公明 山口代表 “歳費のあり方 議論する必要”

公明党の山口代表は、党の参議院議員総会で「初めての事例なので、将来に規範をつくる意味で、しっかり手続きを行っていくことが大切だ」と述べました。

そのうえで「このような事態に、今の懲罰の規定や議員報酬のあり方が本当にふさわしいのかどうか問題提起がなされている」と述べ、正当な理由なく国会への欠席が続いた議員の歳費のあり方について議論する必要があるという認識を示しました。

共産 穀田国対委員長「責務放棄 到底許し難い」

共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「『議場での陳謝』は当然で、全国民の代表として国会の活動に参加する責務を放棄していることは到底、許し難い。ガーシー議員本人だけでなく、所属する党の問題が鋭く問われており、国民と国会をばかにしている」と述べました。

国民 玉木代表「粛々と手続きを進め処分していくべき」

国民民主党の玉木代表は記者団に「外国にいて国会に出てこないのは、国民の理解を得にくい。法令に違反している行為なので、粛々と手続きを進めて処分していくべきだ」と述べました。