アヒルの細胞から作り出した「培養フォアグラ」試食を初公開

細胞培養技術を使ってアヒルの細胞から作り出した「培養フォアグラ」の開発を進める会社が、21日、味などを確かめる試食の様子を初めて公開しました。

試食を公開したのは、アヒルの肝臓の細胞を独自の技術で培養することでフォアグラを作り出す、「培養フォアグラ」の開発を進めている東京都のベンチャー企業です。

21日は、都内のホテルでシェフに「フラン」という茶わん蒸しのような料理を作ってもらい、培養フォアグラを入れた場合と、入れなかった場合の味や風味の違いを調べました。

試食には開発に関わっている関係者15人が参加し、出てきた料理を少しずつ口に運んでゆっくりと味わいながら、味や香り、それに食感などの評価を用紙に記入していました。

参加した人たちからは「香りを感じるほどではなかったが、フォアグラのような味はあった」や「コクのある味が感じられた」などの声が聞かれました。

会社によりますと「培養フォアグラ」は、培養の過程を通じて、すべて安全性が確保された素材で作られているということです。

現在は、100グラム3万円ほどのコストがかかっているということですが、今後、独自の培養技術や生産の大規模化などによって、およそ3年後に300円程度までに抑えることを目指すということです。

開発を進める「インテグリカルチャー」の羽生雄毅社長は「フォアグラの風味と舌触りが合わさり、一口食べたときに『いける』と思いました。販売などのルールが整備されたときに、安心なものを安価に届けられるよう技術を磨いていきたい」と話していました。