米駐日大使 “中国のロシア軍事支援検討 「信頼性ある情報」”

アメリカのエマニュエル駐日大使は記者会見で、中国がロシアへの軍事支援を検討しているという懸念が高まっているとアメリカがみていることについて、信頼性のある情報に基づいて警告したものだとして、反発する中国をけん制しました。

アメリカのブリンケン国務長官が、中国で外交を統括する王毅政治局委員との会談で、中国がロシアへの軍事支援を検討しているという懸念が高まっていると伝えたことに対し、中国側は20日、「責任を転嫁したり、うその情報をまき散らしたりしないよう求める」などとして反発しています。

これについて、アメリカのエマニュエル駐日大使は21日の記者会見で、「ちょうど1年前、ロシアがウクライナを侵攻するか否かについてのアメリカのインテリジェンスは100%正しかった。長官の中国に対する警告もわれわれのインテリジェンスに基づいている。この議題を持ち出すだけの信頼性のある情報があるのだと思う」と述べました。

そのうえで、エマニュエル大使は「長官の発言は秘密のカーテンを開け、世界中に情報をさらす意味も含まれている。中国側が『それは正しくない』と抗議する様子はかえって不信を招くものだ」と述べ、中国側をけん制しました。

松野官房長官「関係国と緊密に連携 適切に対応していく」

松野官房長官は、午後の記者会見で「わが国としても、先般の林外務大臣と中国の王毅政治局委員との会談で、責任ある対応を強く求めた」と述べました。

その上で「先日のG7=主要7か国外相会合の議長声明でも、第三者に対しロシア軍などへの支援を停止するよう求めたところであり、引き続き関連情報の収集・分析を行うとともに、G7をはじめとする関係国と緊密に連携しつつ適切に対応していく」と述べました。