バイデン大統領 ウクライナ電撃訪問後 隣国ポーランドに到着

ロシアによる軍事侵攻開始から1年になるのを前にウクライナの首都キーウを事前の予告なしに訪問したアメリカのバイデン大統領は日本時間の21日、ウクライナを離れ、隣国ポーランドに到着しました。滞在中、ポーランドのドゥダ大統領らと会談し、同盟国との結束を確認し、ウクライナへの支援を続ける姿勢を強調するとみられます。

アメリカのバイデン大統領は20日、去年2月にロシアによる軍事侵攻が始まって以降、事前の予告なしに初めてウクライナの首都キーウを訪問してゼレンスキー大統領と会談し、アメリカの支援は揺るぎないと強調しました。

バイデン大統領としては軍事侵攻開始から1年となるタイミングでリスクを取って訪問することでウクライナを支え続けるというメッセージを鮮明にした形です。

キーウでおよそ5時間滞在したバイデン大統領は列車でポーランドに戻り、その後、専用機で日本時間の21日朝、ポーランドの首都ワルシャワに到着しました。

バイデン大統領は21日はワルシャワでポーランドのドゥダ大統領と会談するほか、演説を行って侵攻が長期化する中でも国際秩序を維持するためウクライナへの支援を必要なかぎり続ける姿勢を改めて強調するとみられます。

翌22日にはNATO=北大西洋条約機構の加盟国のうち東欧諸国の首脳らとも会談し、同盟国との結束を確認したい考えです。

サリバン大統領補佐官「通告確認以外は何の返答もなかった」

バイデン大統領のウクライナ訪問をロシア側に事前に通告していたことについてバイデン政権で安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は21日、電話で会見し「大統領がどの時間帯にどのような手段で移動するかを伝えた」と述べました。

これについてロシア側からどのような反応があったのか問われるとサリバン補佐官は「われわれの通告を受け取ったという確認以外は何の返答もなかった。それ以上のやりとりはなかった」と述べ、ロシアからバイデン大統領の安全に配慮するなどの返答はなかったことを明らかにしました。