間違いが見つかったのは、東京書籍の「新高等地図」です。文部科学省の検定を経て高校1年生向けに発行され、今年度からおよそ3万6000冊使われています。
東京書籍によりますと、この教科書には、索引でのページや表記の誤りがおよそ1000か所あったほか、カンボジアの首都「プノンペン」を「ブノンペン」と表記するなど、地図上の地名などの誤りもおよそ50か所あったということです。
このほか、ウクライナの首都を「キエフ」から「キーウ」にするなど社会情勢の変化による変更もあり、訂正は合わせておよそ1200か所になったということです。
去年、高校の教員から指摘があり、社内で点検したところ誤りが相次いで見つかったということで、「東京書籍」は訂正した教科書を改めて作成し、先月になって希望する学校に配り始めるなど、異例の事態になっています。
原因について東京書籍は、コロナ禍の在宅勤務などの影響で委託業者などと十分にコミュニケーションを取れなかったことや、校閲作業が不十分だったことなどを挙げています。
東京書籍は「先生や生徒、保護者の皆様に大変ご迷惑をおかけし深くおわび申し上げます」としています。
東京書籍の教科書 地名の表記など約1200か所訂正で再配布
教科書会社大手の東京書籍が出版し、今年度から使われている高校の地図の教科書に、索引のページや地名の表記など1000か所余りの間違いが見つかりました。
先月になって訂正した教科書を再び配るなど、異例の事態になっています。

松野官房長官「発行者で適切に対応すべきもの」
松野官房長官は午後の記者会見で「教科書検定は、学習指導要領などの基準に照らして、学問的、専門的知見から欠陥を指摘するものであり、作品の修正や掲載データの時点更新などは、教科書発行者の責任で行うものだ。今回の訂正の多くは、作品の修正や検定合格後の時点修正などであり、教科書発行者で適切に対応すべきものだ」と述べました。