【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(18日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる18日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米ハリス副大統領「必要な限りウクライナを支援」

アメリカのハリス副大統領はミュンヘン安全保障会議での演説で、ロシアによるウクライナ侵攻について「われわれの共通の価値観や人間性に対する攻撃だ。国境は力によって変えてはならず各国には尊重すべき人権があり法の支配が維持されなければならない。もしプーチン大統領がこれらの基本原則への攻撃に成功すればほかの国もこの暴力的な事例を追随するかもしれない」と述べました。

その上で「アメリカは必要なかぎりウクライナを支援し、われわれは揺らぐことはない」と述べてアメリカとしてウクライナへの支援を継続する考えを強調しました。

また欧米などの各国に対して「われわれはウクライナに歴史的な支援を提供してロシアに戦略的な失敗をもたらし、集団防衛に再投資してきた。この結束が今後も続くと確信している」と述べて結束を呼びかけました。

一方、ハリス副大統領は中国について「戦争が始まって以降、ロシアと関係を深めていることは懸念だ。今後、ロシアに軍事的な支援を行うようなことがあればルールに基づく秩序がさらに損なわれるだろう」と述べてけん制しました。

EU フォンデアライエン委員長「迅速な支援を」

EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は18日、ドイツのミュンヘン安全保障会議でウクライナへの支援について「今こそウクライナが必要としている物資の生産を加速させ供給量を増やすべきだ。弾薬を補充し、供与するまでに何か月、あるいは何年もかけることはできない」と述べ、軍事侵攻を続けるロシアに対抗するため、ウクライナのゼレンスキー大統領が求める迅速な支援に応えるべきだと強調しました。

そして具体的には「例えば防衛産業と事前に購入契約を結ぶことで生産ラインへの投資を促し、より速く、より多くの物資を生産することが可能になる」と述べ、防衛産業と協力して弾薬などの生産効率を上げていきたいという考えを示しました。

NATO ストルテンベルグ事務総長「ロシア勝利が最大リスク」

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は18日、ドイツのミュンヘン安全保障会議で演説し、ウクライナへの軍事支援について「NATO加盟国によるウクライナへの支援が事態をエスカレートさせるのではないかと懸念する人もいる。しかしはっきりさせておきたい。どの選択肢にもリスクはあるが、最大のリスクはロシアのプーチン大統領が勝つことだ」と述べました。

そのうえで「プーチン大統領が勝てば、彼やほかの強権主義的な指導者たちに軍事力を行使すれば欲しいものが手に入るというメッセージを送ることになる。世界はより危険になりわれわれはより攻撃を受けやすくなる。ウクライナへの支援は道徳的に正しいだけでなくわれわれの安全保障に資することだ」と述べ、ウクライナに対してあらゆる支援をするべきだという考えを強調しました。

G7外相会合 対ロシア制裁の維持・強化で一致

ドイツでG7=主要7か国の外相会合が開かれ、ウクライナのクレバ外相も参加しました。

会合では、ウクライナ情勢を中心に議論が行われ、ロシアに対する制裁を維持・強化し、ロシアを支援している国にやめるよう呼びかけるとともに、ウクライナと積極的に協力し支援を継続することで一致しました。

その上で、ロシアによるウクライナの民間人や重要インフラ施設への攻撃を非難し、国際法にのっとって責任を追及していく方針を確認するとともに、法の支配に基づく国際秩序を堅持することが重要だという認識を共有しました。

林外相「制裁回避への対策含め対応」

G7外相会合のあと、林外務大臣は記者団に対し「G7が結束してウクライナを支援し、法の支配に基づく国際秩序を守り抜いていく確固たる決意を示すことができた。対ロ制裁では、今月24日で侵略開始から1年となることを念頭に、制裁回避への対策を含め、関係国と緊密に連携しながら適切に対応したい。議長国という立場も活用しながら、国際的な議論を積極的にリードしていきたい」と述べました。

ウクライナ東部の拠点で空爆

ウクライナ国防省は、17日、ロシア軍による10発のミサイル攻撃があり、29か所で空爆が行われたと明らかにしました。

そのうえで、激しい攻撃が行われたのはロシア軍が掌握を狙う東部ドネツク州のウクライナ側の拠点バフムトや東部ハルキウ州などだとしています。

米ホワイトハウス 「ワグネルの戦闘員約9000人が死亡」

アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は17日に行った会見で、ウクライナでの戦闘でこれまでにロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員3万人以上が死傷し、このうちおよそ9000人が死亡したという推計を明らかにしました。

死亡した戦闘員のおよそ半数が東部ドネツク州のバフムトで戦闘が激化した去年12月半ば以降に集中しているとしています。さらに12月に死亡した戦闘員のおよそ90%が戦闘の訓練を受けていない受刑者だとみられるとしたうえで、ワグネルは今後も受刑者に強く依存していくことに変わりはないという見方を示しました。

カービー調整官は先月下旬、ワグネルはおよそ4万人の受刑者を含む5万人の戦闘員をウクライナに送り込んでいると指摘していました。

イギリス国防省 “ロシア軍の兵士など 死者数は4万から6万か”

イギリス国防省は17日、ロシア軍の兵士やワグネルの戦闘員の死傷者があわせて17万5000人から20万人に上ったとみられるという見方を示しました。このうち死者数は、4万から6万とみられ、去年9月以降、その数が大幅に増加していると指摘していて、ロシアは多くの死傷者を出しながらウクライナ側の拠点掌握を狙って猛攻を仕掛けているものとみられます。