接触確認アプリ「COCOA」“課題あった” デジタル庁など報告書

去年11月に機能を停止した新型コロナウイルスの国の接触確認アプリ
「COCOA」について、デジタル庁と厚生労働省が報告書をまとめ、通知を受けても感染者と接触した場所がわからないなど、課題があったと指摘しました。

接触確認アプリ「COCOA」は、感染した人と濃厚接触をした可能性がある場合に通知されるアプリで、当初、接触が通知されないなどの不具合が相次ぎました。

去年11月に機能が停止され、デジタル庁と厚生労働省は17日、アプリの課題などを報告書にまとめて公表しました。

この中では、不具合が起きた一因として、アプリの開発や運用などで体制の整備が十分になされなかったことを挙げています。

また、通知を受けても、感染者と接触した場所や時間が分からない仕組みになっているほか、接触通知の履歴を収集する機能がないため、アプリの効果を検証できないなどの課題があったとしています。

そのうえで、アプリを検討する初期段階からデジタル技術の専門家と感染症対策の専門家などが密にコミュニケーションをとり、速やかに対応する必要があったと指摘しています。

一方、通知を受けた人が他人との接触を避けるなどの行動を取ったとして、一定の効果があったとしています。

デジタル庁は、将来のパンデミックに備えて、この報告書を今後のアプリ開発などに活用していく方針です。

河野デジタル相「政治のリーダーシップが欠如」

河野デジタル大臣は17日の記者会見で、COCOAについて「アプリの活用に向けての政治のリーダーシップが欠如、あるいは弱かった。厚生労働省の中で、アプリを活用するための体制をしっかりと組めていなかった」と、課題を指摘した一方で、「かなりの数がダウンロードされ、それなりに世の中に行動変容を促したというところでは、一定の効果はあったと思う」と述べました。