警察が実施した通信傍受 去年は過去最多の24事件

去年、全国の警察が行った携帯電話などの通信の傍受は、薬物の密売やけん銃の所持など過去最多の24の事件で、合わせて1万9000回余りとなり、106人が逮捕されたことが明らかになりました。

これは、通信傍受法に基づいて17日の閣議で報告されました。

それによりますと、去年1年間に全国の警察が薬物の密売やけん銃の所持など24の事件で、携帯電話の通話を合わせて1万9365回傍受し、106人を逮捕したとしています。

法律が施行された平成12年以降、傍受を実施した事件は過去最多です。

通信傍受法は、組織的な犯罪のうち、特に重大で凶悪な事件を捜査する際、ほかの手段では解明が難しい場合に限って捜査当局に電話の通話などの傍受を認める一方、政府には、実施状況を国会に報告するよう義務づけています。

政府は、今回の内容を国会に報告することにしています。

齋藤法相“捜査機関は引き続き適正な運用を”

齋藤法務大臣は、閣議のあとの記者会見で「前の年よりも増えているが、通信傍受の実施件数は、対象犯罪の発生数や捜査の進展状況など、さまざまな事情に左右され、増えた理由について一概に答えるのは難しい。捜査機関は引き続き、通信傍受法に定める厳格な要件と、手続きを厳守した適正な運用を行っていくと承知している」と述べました。