モルドバ大統領 “ロシアが政権転覆企てている”と厳しく非難

ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナの隣国モルドバのサンドゥ大統領は13日に行った会見で、ロシアが工作員を使ってEU=ヨーロッパ連合への加盟を目指すモルドバの現政権の転覆を企てているとする情報を得たとして、ロシアを厳しく非難しました。

サンドゥ大統領によりますと、この情報は、ウクライナ側から寄せられたということで、訓練を受けた工作員が市民の抗議を装って政府施設に破壊活動などを行い政権転覆を企てるという内容でロシアやベラルーシなどから要員が送り込まれる手はずになっているとしています。

ウクライナのゼレンスキー大統領も今月9日「モルドバの秩序を破壊しようとするロシアの情報機関の計画を傍受した」として、モルドバに情報提供を行ったことを明らかにしていました。

サンドゥ大統領は、「モルドバをロシアの支配下に置いてEU加盟へのプロセスを阻止する試みだ」と述べ、ロシア寄りの政権を樹立する企てだと非難しています。

これに対しロシア外務省は14日、公式サイトでザハロワ報道官のコメントを掲載し、サンドゥ大統領の発言について「全く根拠がなく事実無根だ」と反論しました。

そのうえで「検証できない情報をもとに非難し、それを根拠に自分たちの不法な行為を正当化するのは欧米各国やウクライナの常とう手段だ」と主張し、ウクライナがうその情報を流したとして批判しました。

モルドバは、国内に一方的に分離独立を宣言してロシア軍が駐留を続ける地域があり、ウクライナに軍事侵攻したロシアに対する警戒感を強め、欧米寄りの姿勢を鮮明にしています。

一方、AFP通信などによりますと、モルドバの航空当局は14日、領空を一時的に閉鎖し、航空機が領空を通過したり着陸したりすることを禁止したということです。

モルドバの国防省は今月10日、ロシア軍のミサイルが領空を侵犯したと発表していて警戒が続いています。