トルコ・シリア大地震 倒壊現場で違法改築横行か 地元メディア

今回の大地震で多数の建物が倒壊した背景として、トルコの地元メディアは、建物の1階に入る店舗のスペースを広げるため、もともとあった柱を取り除くなどの違法な改築行為が関係しているのではないかと指摘しています。

このうち、トルコ南部アダナの14階建ての高層マンションが倒壊した現場では、1階に入っていた店舗が無断で柱を取り除き、マンションの住民とトラブルになっていたと複数の近隣住民が証言しました。

近所に住む60代の男性は「数年前に家具店が店内のスペースを広げるために柱を取り除き、住民が訴訟を起こしていた。裁判所が退避命令を出すべきだったが、地震によって多くの命が奪われた」と話していました。

また、別の60代の男性は「マンション側が苦情を出していたのだから当局は何かしら行動を取らなければならない」として、事実関係の調査をするよう求めました。

トルコでは、柱を勝手に取り除く行為は違法ですが、地元メディアはこうした行為が横行しているものの、監視や取締りが十分ではなかったと伝えています。

近隣の住民によりますと、このマンションでは数十人規模の犠牲者が出たということで、14日にはすでにがれきが撤去され、現場はさら地となっていました。

エルドアン大統領 安全対策強化の考え示す

トルコのエルドアン大統領は14日に行った演説のなかで「今回の災害で倒壊した建物の98%が、1999年より前に建てられたものだった」と明らかにしました。

その上で「より厳しくしなければならないことを再認識した」と述べ、1万7000人以上が死亡した1999年の地震を受けて見直してきた建物の安全対策を強化する考えを示しました。