【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(14日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる14日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア報道官 NATO加盟国をけん制

ロシア大統領府のペスコフ報道官は14日、記者団からNATO=北大西洋条約機構について問われ「われわれと敵対する組織であり、日々その敵意を証明している。NATOはウクライナをめぐる紛争への関与をより明確にしようと努めている。もちろんそのために一定の予防措置が必要となる」と述べ、ロシアが侵攻を続けるウクライナへの軍事支援を強めるNATO加盟国をけん制しました。

ウクライナ軍事支援協議の会合 NATO本部で始まる

ウクライナへの軍事支援を欧米各国が協議する会合がNATO=北大西洋条約機構の本部で始まりました。

ウクライナなどが今月行われると警戒してきたロシアによる大規模な攻撃がすでに始まったという見方もある中、各国がどのような支援を打ち出すかが焦点です。

ベルギーのブリュッセルにあるNATOの本部では14日午前10時すぎ、日本時間の午後6時すぎから、およそ50か国に加えてウクライナのレズニコフ国防相も参加してウクライナへの軍事支援について協議する会合が始まりました。

冒頭、アメリカのオースティン国防長官は「きょうの会合は極めて重要な時に開かれる。われわれはこれまでと同じく結束し、今後、数週間の重要な時期にウクライナが勢いを維持できるように支える決意だ」と述べました。

会合に続いてNATOの国防相会議も2日間にわたって開かれる予定です。

NATOのストルテンベルグ事務総長は13日の記者会見で、ウクライナなどが侵攻から1年にあわせて行われると警戒してきたロシアによる大規模な攻撃がすでに始まっているという認識を示しました。

そのうえで「ロシアが戦場で主導権を握るまえに弾薬や燃料などをウクライナに届けることが必要だ。迅速さが命を救う」と述べ、各国に一刻も早く支援を届けるよう促しました。

また、ウクライナが求めている戦闘機の供与についても会合で協議されるという見通しを示したものの、「戦闘機の議論は時間がかかる。いま、必要なのはウクライナへの緊急の支援だ」と指摘しました。欧米各国はことしに入って、装甲車や戦車などの供与を相次いで表明していますが、今回の会合でさらにどのような支援を打ち出すかが焦点です。

ロシア国防省 バフムト近郊の集落掌握と発表

ロシア国防省は13日、東部ドネツク州で、軍の支援を受けた突撃部隊が、ウクライナ側の拠点の1つ、バフムトの近郊にある集落を掌握したと発表しました。

これに先立って、ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表は、この集落を掌握したと主張していました。

また、ウクライナ国防省は13日、バフムト周辺の16の集落で砲撃を受けたと明らかにし、バフムトの掌握をねらうロシア軍が攻撃を激化させているという見方を示しました。

キーウの市民 “一致団結して平和を取り戻したい”

ロシアによる軍事侵攻が始まって今月24日で1年となるのを前に、ウクライナでは、ロシア軍の攻撃が一層、強まると懸念されていますが、ウクライナの人たちは一致団結して平和を取り戻したいという思いを強めています。

ウクライナの首都キーウの独立広場の一角には、ロシア軍との戦闘で亡くなった兵士の名前などが書かれた小さなウクライナ国旗が並べられていて、立ち止まって祈りをささげる人もいました。
また、その近くでは、ウクライナ軍が前線で使用する車両を購入するための募金活動が行われていて、市民が次々に訪れ、寄付していました。

多くの市民が休日を楽しそうに過ごすふだんと変わらない光景が広がる独立広場でしたが、そこに集う人たちは、一致団結して平和を取り戻したいという思いを強めているようでした。

寄付をした50代の男性は「私は兵士ではないので戦えませんが、ウクライナの勝利に貢献するため少ない金額ですが、寄付をしました」と話していました。

また、20代の女性は「かつて独立広場でも多くの人が命を落としたことがあります。ここは、ウクライナ独立の象徴で特別な場所であるからこそ、今も多くの人たちが訪れています」と話していました。

ウクライナ軍 戦車「レオパルト2」の訓練開始

ドイツ政府は、13日、ウクライナへ供与する戦車「レオパルト2」をウクライナ軍が扱えるようにする訓練を始めたと明らかにしました。

ウクライナ軍の兵士がドイツ北部にあるドイツ軍の施設で訓練を受け、来月末までには終わる見通しだということです。

ドイツは「レオパルト2」についてドイツから14両を供与するほかこの戦車を保有するほかのヨーロッパの国とともに2個大隊が編成できるあわせて62両をウクライナに供与することを目指しています。

NATO事務総長「ロシアの大規模攻撃 すでに始まっている」

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は13日ベルギーで会見しました。

この中で、ストルテンベルグ事務総長は、ロシア軍が計画しているとしてきた大規模な攻撃について「その攻撃はすでに始まっている。プーチン大統領は、多大な犠牲をも顧みず、何千もの部隊を新たに送り込んでウクライナに圧力をかけている」と述べ、ウクライナなどが、侵攻から1年となる今月24日に合わせて行われると警戒していた大規模な攻撃は、すでに始まっているという認識を示しました。

ウクライナ政府の高官も11日、地元メディアに対し「ロシアは大規模攻撃を開始している」としながら「計画していた攻撃はロシアが期待していたものにはなっていない」と述べ、徹底抗戦を強調していました。