日銀総裁人事 経済学者 植田氏提示で与野党論戦へ

政府は14日、新たな日銀総裁に経済学者の植田和男氏を起用する案を示します。これを受けて、国会では、植田氏の起用のねらいや今後の金融政策の方向性をめぐっても活発な論戦が交わされる見通しです。

政府は、日銀の黒田総裁の後任に、日銀の元審議委員で経済学者の植田和男氏を、新たな副総裁に前金融庁長官の氷見野良三氏と日銀理事の内田眞一氏を起用する人事案について、14日、衆参両院の議院運営委員会の理事会に示し、できるだけ早期に国会の同意を得たい考えです。

この人事案に対し、与党側からは「バランスの取れた人事だ」などと評価する意見がある一方で、野党側からは「『異次元の金融緩和』をどう修正するのかは難しく、引き受け手がいない中での人事だったのではないか」という指摘も出ています。

15日には衆議院予算委員会で岸田総理大臣も出席して安全保障や少子化対策などをテーマに集中審議が行われ、この中では、植田氏らの起用のねらいやアベノミクスの評価、今後の金融政策の方向性をめぐっても活発な論戦が交わされる見通しです。

一方、新年度予算案は、16日に採決の前提となる中央公聴会が開かれることになっていて、採決に向けた日程の調整が本格化することになります。