NY円相場 1ドル=131円台半ばまで値下がり 日銀総裁人事受け
日銀の黒田総裁の後任に、日銀の元審議委員で経済学者の植田和男氏の起用が固まったことを受けて、10日のニューヨーク外国為替市場では当面は日銀が金融緩和を続けるとの受け止めから円売りドル買いが強まり、円相場は1ドル=131円台半ばまで値下がりしました。
岸田総理大臣は日銀の黒田総裁の後任人事について、日銀の元審議委員で経済学者の植田和男氏を起用する意向を固めました。
これをきっかけに、10日の東京外国為替市場では円が買われ、一時、1ドル=129円台まで円高が進みましたが、植田氏が記者団に対し、「現状では金融緩和の継続が必要だ」などと述べたことが伝わったあとは一転して円が売られる展開となりました。
ニューヨーク市場でもこの流れを引き継いで当面は日銀が金融緩和が続けるとの受け止めから円売りドル買いが強まり、円相場は1ドル=131円台半ばまで値下がりしました。
市場関係者は「植田氏の起用は驚きをもって受け止められ、政策を予測するための情報が乏しい投資家も多かったが、植田氏の発言から日銀の大規模な金融緩和策がすぐには修正されないとの受け止めが広がった。ニューヨーク市場でも日銀の新体制が金融政策をどのように運営するのかに注目が集まっている」と話しています。