パリ市長 ロシア選手の五輪参加 “望ましくない”との認識示す

来年、オリンピックとパラリンピックが開催されるフランス・パリのイダルゴ市長は、ウクライナ侵攻を続けるロシアの選手が大会に参加することは、望ましくないという認識を示しました。

フランスの公共ラジオ、「フランスアンフォ」は7日、来年、オリンピックとパラリンピックが開催されるパリのイダルゴ市長のインタビューを放送しました。

このなかで、イダルゴ市長は、ロシアの代表団の参加について「ロシアがウクライナへ侵攻するなか何事もなかったかのように代表団をパリで行進させることなど考えられない」と述べ参加は望ましくないという認識を示しました。

IOC=国際オリンピック委員会は、ロシアとベラルーシの選手について、国や地域を代表しない「中立」の立場とすることなどの条件付きで国際大会への復帰を検討するとしています。

イダルゴ市長は、「中立」の立場でロシアの選手が参加する可能性についても「賛成しない」と述べました。

ただ、最終的な決定については、「IOCに委ねられている」と述べ、IOCの決定を見守るという立場も示しました。

北欧5か国オリンピック委員会 ロシアとベラルーシの復帰反対

デンマークやノルウェーなど北欧5か国のオリンピック委員会は、7日、共同で声明を出し、IOC=国際オリンピック委員会がウクライナへの軍事侵攻により国際大会から除外されているロシアとベラルーシの選手の復帰を検討していることについて「今は復帰を検討する時期ではない」と反対の立場を強調しました。

共同で声明を出したのは、▽デンマーク、▽ノルウェー、▽スウェーデン、▽フィンランド、▽アイスランドの北欧5か国のオリンピック委員会です。

声明では、ウクライナに対する軍事侵攻が続いていることを理由にロシアとその同盟関係にあるベラルーシの選手について「今は復帰を検討する時期ではない」として国際大会への復帰を認めない立場を強調しました。

このうち、デンマークのオリンピック委員会は、会長のコメントとしてデンマークが来年のパリオリンピックをボイコットする可能性は否定した上で、「両国の選手をオリンピックに参加させることは、ヨーロッパ諸国の理解を得られず、IOCに大きなマイナスをもたらすだろう」とけん制しました。

IOCが先月、ロシアとベラルーシの選手について国や地域を代表しない「中立」の立場とすることなどの条件付きで国際大会への復帰を検討すると発表したことをめぐっては、旧ソ連から独立した▽リトアニア、▽エストニア、▽ラトビアのバルト3国の首相がパリ大会をボイコットする可能性を示唆するなど波紋が広がっています。