ソフトバンクグループ 9125億円の赤字 5兆68億円の投資損失

ソフトバンクグループの去年4月から12月まで9か月間の決算は、最終的な損益が9125億円の赤字となりました。収益の柱としてきた傘下の投資ファンドの事業で巨額の損失が続いています。

ソフトバンクグループは、去年4月から12月まで9か月間の決算を7日発表しました。

業績への影響が大きい傘下の投資ファンドの事業では、この3か月間で6532億円の投資損失を新たに計上し、9か月間の累計の投資損失は5兆68億円にのぼっています。

積極的に投資を拡大してきたAI=人工知能関連の新興企業などへの投資が、株式市況の低迷を受けて損失の拡大につながりました。

さらに円安の影響として7280億円の損失を計上しました。

ただ、その一方で、去年9月には保有する中国のアリババグループの株式の一部を手放すなどして、5兆3700億円余りの利益を計上していることから、9か月間の最終的な損益は、9125億円の赤字となりました。

収益の柱となっていた傘下の投資ファンドの事業で巨額の損失が続くなか、会社では新規と追加を合わせた投資額を昨年度の同じ時期と比べて1割以下に抑えるなど事業の縮小を続けています。

後藤CFO “まだ楽観視できず 今後の状況見極め”

会見で後藤芳光CFOは「市場の環境は、非常に不安定な状況が続いていて、少しずつ改善しつつあるが、まだまだ楽観視はできない」と述べました。

そのうえで「守りは盤石で、いささかの問題もないが、積極的な攻めの投資ステージに入るまでの間は、しっかりと軍資金を確保しておく必要があり、引き締めた管理体制を維持しながら、今後の状況を見極めていく」と述べました。