また、犯罪の実行役を募る投稿の疑いがあると判断した場合には、「捕まっても誰も助けてくれない」とか、「いいように利用されて捨てられる」などの警告のメッセージを送信することにしています。
兵庫県警生活安全企画課の大下泰史次席は「『闇バイト』に応募すると犯罪グループに個人情報が把握され、脅されながら犯罪に利用されるケースもある。報酬につられて安易に応募することは絶対にやめてほしい」と話しています。

「闇バイト」などのSNS書き込み自動検出 兵庫県警 全国初導入
全国で相次ぐ広域強盗事件では、SNSの「闇バイト」でメンバーを集めていたことがわかっていますが、兵庫県警察本部は、人工知能=AIを使って不審な投稿を自動的に検出するシステムを、全国で初めて導入することになりました。犯罪の実行役を募る投稿の疑いがあると判断した場合には、警告を送信するということです。
特殊詐欺の「受け子」や「出し子」の実行役は、SNS上の「闇バイト」の募集を通じて集められ、全国で相次ぐ広域強盗事件でも同じようにメンバーを集めて犯行を繰り返すグループが存在することがわかっています。
こうしたことを受け、兵庫県警察本部は、AIの技術を使って、SNS上に投稿されている「闇バイト」や「高収入」などの書き込みを自動的に検出するシステムを、全国で初めて導入することを決めました。
兵庫県警ではこれまで、捜査員が手作業で不審な投稿を探して警告を送っていましたが、AIの導入によって効率を上げたい考えで、ことし中の運用開始を目指すとしています。

専門家「どう効果的にチェックしていくか課題」

ネット社会の問題に詳しい東京都立大学法学部の星周一郎教授は「SNSでの『闇バイト』の募集は自動プログラムによって、それほど手間をかけることなく大量に投稿されているとみられる。募集の投稿そのものを法的に取り締まることは難しいため、犯罪グループ側は摘発のリスクが低いSNSでの方法を使って実行役を集めているのが実態だ」と指摘しています。
その上で、「SNSは便利な連絡手段である一方、犯罪に悪用されるケースも増えていて、こうしたケースを警察がどう効果的にチェックしていくかは今後の大きな課題になってくる。『闇バイト』に応募すれば犯罪に加担することになるという意識を多くの人に持ってもらうため、広く注意を呼びかけていくことが重要だ」と話しています。
その上で、「SNSは便利な連絡手段である一方、犯罪に悪用されるケースも増えていて、こうしたケースを警察がどう効果的にチェックしていくかは今後の大きな課題になってくる。『闇バイト』に応募すれば犯罪に加担することになるという意識を多くの人に持ってもらうため、広く注意を呼びかけていくことが重要だ」と話しています。