LGBT理解促進のため議員立法 早期成立なるか 自民党内で調整へ

同性婚をめぐる差別的な発言で、総理大臣秘書官が更迭されたことを受けて、与野党双方から、LGBTの人たちへの理解を促進するための議員立法の早期成立を求める声が強まっていますが、自民党内には反発する声もあり、調整が進められる見通しです。

LGBTの人たちへの理解を促進するための議員立法をめぐっては、おととし超党派の議員連盟が成立を目指したものの、自民党内で異論が出て意見がまとまらず、国会への提出が見送られました。

この議員立法について、与野党双方からは、荒井 前総理大臣秘書官が、同性婚をめぐって「見るのも嫌だ」などと発言し更迭されたことを受け、早期成立を求める声が改めて出ています。

自民党の茂木幹事長は6日に「提出に向けた準備を進めたい」と述べましたが、党内には「おととし、内容で折り合えなかった法案を拙速に進めることは認められない」などと反発する声もあり、調整が進められる見通しです。

一方、野党側は、岸田総理大臣が先週国会の質疑で、同性婚について「社会が変わってしまう課題だ」と答弁したことについて「岸田総理大臣本人の多様性に対する認識が問われる」として、7日の衆議院予算委員会の集中審議で追及することにしています。

自民 西田政調会長代理「また同じことをすると分断だけを生む」

超党派の議員連盟がまとめた法案の内容に慎重な姿勢を示している自民党の西田政務調査会長代理は、記者団に対し「いったん自民党で議論され、採択されなかった事実があるので、また同じことをすると分断だけを生む。前回は、党内の合意形成がされる前に、一部の議員が『野党側と合意したから、これを通さなければならない』という議論をしたので、党内の合意が得られなかった。手続きは慎重にしてもらいたい」と述べました。

そのうえで「LGBTの人たちへの差別禁止のような形にすると、内心の問題に関わり、逆に社会が分断されるので、そうならないような形で議論してまとめていけばいい」と述べました。

議員立法の成立を目指す超党派議連 来週総会へ

LGBTの人たちへの理解を促進するための議員立法の成立を目指す超党派の議員連盟の実務者のうち、自民・公明両党のメンバーは7日午後、国会内で会合を開き、来週にも総会を開くことを確認しました。

このあと、議員連盟の会長代理を務める自民党の稲田 元防衛大臣は、記者団に対し「G7広島サミットまでに法案を成立させ、世界に向けて発信するのがいい」と述べました。

また、おととし議員連盟がまとめた法案に盛り込まれている「『性自認』を理由とする差別は許されない」という文言に、自民党内で反対する意見が根強いことを踏まえ「野党のこともあり、私の一存では決められないが、交渉する余地はある」と述べ、修正することも含めて、対応を検討する考えを示しました。

松野官房長官「議員立法の動きを注視」

松野官房長官は、午後の記者会見で「日本以外のG7諸国は何らかの形で差別を禁止する法令や同性婚またはパートナーシップ制度を有している。自民党でも議員立法での提出に向けた準備が進められており、その動きを注視したい」と述べました。

そのうえで「性的指向や性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならず、多様性が尊重され、すべての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、 生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向け、さまざまな国民の声を受け止め、しっかり取り組んでいく」と述べました。