ボルダリング ジャパンカップ 女子は伊藤 男子は楢崎明智 優勝

スポーツクライミング、ボルダリングの日本一を競うジャパンカップが東京で行われ、女子は20歳の伊藤ふたば選手が4つの課題をすべて1回で登り切り、3年ぶり3回目の優勝を果たしました。

スポーツクライミングのボルダリングは、「課題」と呼ばれるコースを制限時間内にいくつ登ったかを競う種目で、日本一を競うジャパンカップは5日、東京 世田谷区で男女の決勝が行われました。

このうち女子は、20歳の伊藤選手が最初の課題を1回目の挑戦で登り切る「一撃」で完登すると、その後も長い手足をいかしたしなやかな登りで次々と課題をクリアしていきました。

伊藤選手は、最後の4つ目の課題まですべてを「一撃」で完登する、圧倒的な力を見せて優勝し、3年ぶり3回目の日本一に輝きました。

最後の課題をクリアしたあと、伊藤選手は笑顔でガッツポーズを見せ、会場からは大きな拍手が上がっていました。

2位には、3つの課題を完登した、東京オリンピック銀メダリストの野中生萌選手が入り、3位は15歳の関川愛音選手で、2年ぶりの優勝を目指した19歳の森秋彩選手は4位でした。

伊藤ふたば「さらに強くなってワールドカップに出場を」

伊藤ふたば選手は「決勝で全部の課題を一撃で完登して優勝できたので、率直にうれしい。全部一撃するのはたぶん初めての経験なので、すごくよかったと思う」喜びを口にしました。

そのうえで「今シーズン、さい先いいスタートとなり、自信にもなるような登りができたので、自信になった部分はしっかり持って、改善できる部分は改善して、さらに強くなってワールドカップに出場したい」と今シーズンの抱負を語りました。

そして「ことしはパリオリンピックに向けてすごく大事な年になってくると思うので、まずは世界選手権に出場する枠を取ることから集中してやっていきたい」と先を見据えていました。

男子は楢崎明智が初優勝 ただ1人 3つの課題を完登

一方、ボルダリングのジャパンカップの男子は、23歳の楢崎明智選手がただ1人3つの課題を完登し初めての日本一に輝きました。

楢崎選手は1メートル90センチ近い長身と長い手足を生かしたダイナミックな登りで、4つの課題のうち3つを登り切って初優勝を果たしました。

2位には2つの課題を登り切った19歳の佐野大輝選手が入り、3位は東京オリンピック代表で大会2連覇を目指した楢崎選手の兄の智亜選手でした。

楢崎明智「まさか優勝するとは思わなかった」

初優勝を果たした楢崎明智選手は「決勝に残ることが目標だったのでまさか優勝するとは思わなかった」と驚いた様子でした。

勝因については「決勝は自分の距離感に合った課題がたくさんありそこが優勝した理由かと思う。見た瞬間に得意だとはわかった」と分析していました。

そのうえで来年のパリオリンピックについての思いを聞かれると「実力的にオリンピックを口にする立場ではないと思っているのでそんなに意識はしていない。とにかく強くなることを意識して今はやっている」と話しました。