米 ウクライナに射程約150キロのロケット弾供与を発表

ウクライナ東部でロシア軍とウクライナ軍の激しい攻防が続く中、アメリカがウクライナに対し射程およそ150キロのロケット弾の供与を発表するなど欧米諸国の間で軍事支援をさらに強化する動きが広がっています。

ウクライナ東部ドネツク州のウクライナ側の拠点の1つバフムトでは、包囲をねらうロシア軍とウクライナ軍の間で激しい攻防が続いています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は3日開かれた記者会見で「誰もバフムトを手放さない。われわれはできるかぎり戦う」と述べ、徹底抗戦を続ける姿勢を強調しました。

こうした中、アメリカのバイデン政権は3日、ウクライナに対しておよそ22億ドル(日本円にして2850億円)の追加の軍事支援を行うと発表しました。

これにはGLSDBと呼ばれる、射程がおよそ150キロのロケット弾が含まれ、これまでアメリカがウクライナに供与してきたロケット弾に比べ2倍近い射程になるとされています。

国防総省のライダー報道官は3日の記者会見で「ウクライナが長い射程の攻撃能力を手にすることで自国を防衛し、領土を取り戻すことができるようになる」と述べています。

以前から射程が長いミサイルなどの供与を求めていたウクライナのゼレンスキー大統領は3日夜、公開した動画で「バイデン大統領やすべてのアメリカの人々に感謝する」としたうえで「これらの支援が、ウクライナにできるかぎり早く届くようわれわれは協力しなければならない」と訴えました。

また、フランスとイタリアも3日、両国の国防相が電話で会談し、弾道ミサイルなどの迎撃が可能な移動式の地対空ミサイルシステムを供与することで合意するなど、軍事支援をさらに強化する動きが広がっています。